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2016.05.27

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses ティ・クリッパー 2016

2016年5月 ティ・クリッパー一番花

今回は数あるイングリッシュローズの中でも、このバラをここまで繰り返し取り上げているのは、たぶんボクくらいなものなのかもしれないマイナー?な品種「ティー・クリッパー」のご登場となる。それもそのはず、この連載はすでに276話目の投稿を積み重ねているのだが、ティー・クリッパーは「第7話目」ですでに登場してきている。第7話目といったら2008年のことでありつまり、ボクが所有しているバラの中では最古参株のうちの一つ。しかも最古参株の中では最も「活(いき)」の良い生育を遂げている品種であり、これまでのところトラブルらしいトラブルに見舞われたことがない。

ティー・クリッパーの特徴は何といっても、イングリッシュローズカタログの中でも「最大級の大輪花」を咲かせることである。一口にバラといっても、一本のステムに10個くらいの蕾をつけるものもあれば、5個くらいの蕾つをつけるものあり、3つくらいの蕾で落ち着くものもある。しかしながらティー・クリッパーの場合は「放っておいても1本のステムに咲かせる花は1つだけ」という、イングリッシュローズの中では変わった形質を持つ。1本のステムに多数の花をつける品種の場合、蕾に回る栄養は分散されて花のサイズはおのずと小さくなるものだが、逆も然り。ティー・クリッパーの場合は1本のステムに1つの花しか咲かせないため、全栄養成分が一つの蕾に集中しまくる結果「特大サイズ」の花を咲かせるのだ。たぶん、これ以上デカい花を咲かせるイングリッシュローズもなかなかないのでは?と思う。ステムはかなり長めであるが、しなりが良いのか意外に花がうつむいたりすることは少なく、正面から上方に向かって咲き誇る。その様はまるで皿回し棒の上で回っているお皿のようにも見える。
その色はアプリコット系であるが、気候条件によっては時折ピンク色が強く出ることもある。退色すると淡いアプリコットとなり最後は「ドサッ!」と花びらを散らし落とす。イングリッシュ・ヘリテージと同じで短寿命花な部類に入るのだが、この大輪が花びらを落とすとあとの掃除がすごく大変だったりする。

イメージ 撮影日時:2016年5月21日
撮影機材:Nikon D4
使用レンズ:AF-S Nikkor 35mm f/1.4G
現像処理:Adobe Lightroom

2016年5月 ティ・クリッパー一番花

イメージ 撮影日時:2016年5月21日
撮影機材:Nikon D4
使用レンズ:AF-S Nikkor 35mm f/1.4G
現像処理:Adobe Lightroom

2016年5月 ティ・クリッパー一番花

イメージ この画像からも、花数は少ないが大輪の花を咲かせることが分かる。繰り返し咲き性は弱く、この一番花の後は枝を伸ばす方向で成長を始めるだろう。また伸ばす枝も棘が少なく、弓なりにしなりやすい。以上のことから、小型の半つるバラとして大変取り扱いが容易な品種でもあるのだ。

撮影日時:2016年5月23日
撮影機材:Nikon D4
使用レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
現像処理:Adobe Lightroom

2016年5月 ティ・クリッパーの樹形

イメージ個人的には気に入っているティー・クリッパーだが、万人受けする品種ではないことは明白である。まず第一に上記に述べているように花数が少ない事。4月に霜に当たるとブラインドを誘発しやすく、なおさら花芽が減少する気難しさがある。また頂芽優勢が比較的強いのか、上方の誘引枝に優先的に花をつけているのが分かる。下部にも数個の花が咲いているが、中央部のエリアは中抜けしており、見事に咲きそろえるのは中々難しい。繰り返し咲き性が弱いため、このバラの花を拝める期間は限られたものとなるだろう。

数あるイングリッシュローズの中から、あえてこのバラを積極的に選びたいと思う方は少ないのかもしれないが、もしこのバラを育ててみたいと思ったのならば、柵など固定できる場所を与えてあげよう。1〜2年後、春に咲かせる特大サイズの花に、きっと驚かされることだろう。

2016年5月 ティ・クリッパー一番花

イメージ
背後のバラは、「コンスタンス・スプライ」「ザ・ジェネラス・ガーデナー」「ピエール・ド・ロンサール」 。自分でいうのもなんだが美しいと思うし、自分の庭にこのような景色があることが信じられないような、複雑な思いがある。

撮影日時:2016年5月22日
撮影機材:Nikon D4
使用レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
現像処理:Adobe Lightroom

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