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2014.06.10

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses ティ・クリッパー 2014

「ティ・クリッパー」との出会いは、ボクがバラと出会った頃まで遡る。ボクの記憶が正しければ、バラ栽培にのめり込んでから数えて5本目に購入したバラなので、本当に初期に購入したもののうちの一本だ。

「ティ・クリッパー」の話を始める前に一番最初に購入したバラたちの「今」を参考までにご紹介させて頂くと、「ウィリアム・シェイクスピア2000」や「グラハム・トーマス」はボクが家を空けている間にカミキリムシの幼虫に胴体内部を食い荒らされて枯死。「クラウン・プリンセス・マルガリータ」も同じくカミキリムシの幼虫に入りこまれ、瀕死の重傷を負って只今養生中。コイツが今後復活するかどうかは未知数で「クラウン・プリンセス・マルガリータ」の処遇・・・、つまりぶった切って引っこ抜くか否かは、夏に帰国した際にこの目で見て決めるつもりである。冷たいようだがバラには「いや地」というものがあるので、抜くなら早く抜いて土を休ませたほうがよい。(※いや地:連続して同じ作物を同じ場所に植えると育ちが悪くなる連作障害

「ティ・クリッパー」を購入した当時、バラ栽培を始めたばかりなので、とにかく空いている場所にバラを植えまくりたい一心で、ティ・クリッパーの特性なんて考えもしないで東側の地面に植えつけたのだ。しかし、花数が少なく、一番花と二番花を終えたらしなやかでとげのない枝を長く伸ばす方向で成長を始めたので焦った記憶がある。結果的にその場所に収まりきれる器では無いと判断し、西側のフェンスに移植し直したのだが、西日条件にも拘(かかわ)らずその場に土着し、今では元気に枝を広げている品種である。そう言った意味では、このティ・クリッパーは元気な状態で現存している株の中で、最古参の一つとも言えるだろう。

ティ・クリッパーの特徴は、2番花以降はトゲの少ないしなやかな枝を長く伸ばしたがる性格が真っ先に挙げられる。つまり、小型のつるバラとして使用できるポテンシャルを秘めている品種である。次に、元々花数が少ない品種の上に、運悪く4月に霜にあたるとブラインドしやすいから、一斉開花時において我が家のイングリッシュローズの中で一番花数が少ない品種である。しかし、ここでボクが言いたいのはティ・クリッパーは花数が少ないっていう悪口なんかでは無く、ティ・クリッパーの花は、花数の少なさを補って余りあるデカさと魅力を持ち合わせた品種ってことである。


ティ・クリッパー

イメージ超・西日条件にもかかわらず元気に枝を伸ばし、一番花を迎えた「ティ・クリッパー」。摘蕾をしていないにも拘らず、一つのステムに一つの蕾しか付いていないことからも、花数の少なさが分かるだろう。一つの花芽に、一つの花しか咲かせない贅沢。まるで一花の美しさを競うハイブリット・ティのようだ

 

イメージ花数が少ない分、その花のサイズはイングリッシュローズの中でも特大サイズ。ウナギで例えると「特大の一尾」。直径十数センチはあるだろう。色はアプリコット・オレンジと言えばよいのか、そのサイズと花様と色で、他品種と見紛うことがない特徴がある

 

イメージこれはすぐ隣の実家で咲くティ・クリッパーだ。何とこれ、自根苗なのだ。遡ること3年以上前、剪定した枝を母が拾って挿し木にして育てたものだ。ボクの中の常識では、現代バラは自根苗では花を咲かせられないと思っていたので、この咲き誇るティ・クリッパーを見てビックリしてしまった。
自根であるが故に、パワフルに枝を伸ばすようなことは無さそうだが、この場所ではそれが吉と出ており、コンパクトにまとまりつつ、特大サイズの花を無数に付けている。この樹形はスモールガーデンでは理想的。正直、挿し木なんかじゃ育たないし時間の無駄と考えていたのだが、これを見て考え方を改めさせることになった

 

イメージ別の角度から見た「ティ・クリッパー」。特大サイズの花を咲かせるが、その寿命は非常に短く、開花から3日程度でバッサリと逝く。非常に惜しい気がするが、逆にいえば10日も同じ花がそこにあったら飽きてしまうだろう。そう言った意味でこの潔さは見ていて気持がよく、希少価値が高い花である。

周囲を見まわすと、「ティ・クリッパー」などというレアなバラを植えて栽培しているのは少数派であろう。つまり不人気な品種であり、その他大多数のバラと同じ運命、つまり近い将来カタログ上から退場してしまう運命にあると勝手に思っている。しかし、それに反してボクのホームーページ上では紹介回数が多いバラでもある。つまり「ティ・クリッパー」はボクのお気に入り品種なのだ。こいつは、こいつを育てている人にしか分からない魅力ってものがあるのだ

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