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2014.06.07

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses コンスタンス・スプライ 2015

世界中数多にあるバラ種苗会社の中で「David Austin Roses」が好きな方であれば、バラ談義の最中「コンスタンス・スプライ」という名前が出てきたらピクリと反応してしまうはずだ。何かを作り出す企業・会社であれば最初の一つ目の品種というものが必ずあるが、「コンスタンス・スプライ」はバラ業界ではまだ無名であったであろう若かりしDavid Austinが世の中に発表した第一号の品種である。

ボクの解釈が間違っていなければ、イングリッシュローズとは「オールドローズの花様に、四季咲き性と馥郁たる香りをもち合わせた、David Austin Rosesが作出する品種群」の事である。しかし50年以上前、1961年に発表された初代イングリッシュローズ「コンスタンス・スプライ」はオールドローズの花様に馥郁たる香りを持ち合わせていたが、四季咲き性までは持ち合わせておらず、正真正銘の一季咲きのつるバラであった。

バラ好きならば誰でも知っているメイアン作出「ピース」。ピースは交配親としても優秀で後にピースを頂点とした「ピース・ファミリー」を形成したが、そう言った意味では「コンスタンス・スプライ」もそれに似ているのかもしれない。
David Austinはその後、「コンスタンス・スプライ」を元に品種改良を重ね、「イングリッシュローズファミリー」という品種群を築き上げ、今日の爆発的ヒットとつながったわけだが、それはひとえに「コンスタンス・スプライ」という素晴らしい素地があったからこそであろう。

世の中のバラはイングリッシュローズだけではなく、素晴らしい一季咲きのつるバラは他にいくらでもある。だけど、イングリッシュローズファンであればDavid Austin Rosesが作り出した初代イングリッシュローズを育ててみても、いいかもしれない。50年以上前に作出された品種とはとても思えないその美しさに、きっと驚くことだろう。

コンスタンス・スプライ

イメージ満開を迎えた「コンスタンス・スプライ」。割り箸サイズのヒョロヒョロの新苗だった2株が、5年の時を経てここまで成長した。この成長速度の速さは、一季咲きならではである。手前に咲くのは、オールドローズ「コンテ・ド・シャンボール」。こいつも香水の材料になるほどに素晴らしい香りをもつ品種だ。

 

イメージ陽の光を浴びて光り輝く「コンスタンス・スプライ」。このバラはミルラ香と呼ばれる香りを持ち合わせている。

 

イメージ明日へ向かって咲くような、元気の良さ。四季咲きのバラばかりを集めるのも良いが、一季咲きにも目を向けてみよう。地植えして3年経ったころにボクが一季咲きのつるバラを推奨する理由が分かるだろう。

 

イメージボクの自宅を通りすがると、年に一度、1週間程度だけこの姿が出現している。その圧倒的な姿に、多くの方々が足を止めているそうだ。

四季咲きバラにはこの爆発力はなく、開花中の主役はいつだって一季咲きのつるバラ。

一季咲きのつるバラとはいわば桜のようなものだ。桜だって年に一度しか咲かないからこそ、あれほど人々の心を打つ。
それと同じで、一季咲きのつるバラも年に一度しか咲かないからこそ、その瞬間は何物にも代えがたい美しさを発揮する。

ちなみに手前に咲いているオレンジ色のバラは、「ティ・クリッパー」。

 

イメージ ちなみに、「コンスタンス・スプライ」は西側の壁面に植えた、究極の西日条件。「バラ栽培において、西日条件は避けたほうがよい」そんな意見が散見されるが、西日条件でも美しく咲き誇る「コンスタンス・スプライ」を見ていると、到底そうは思えない。ダメ元でもやってみる。それが大事なんだ。

 

イメージワンサカ咲きまくる「コンスタンス・スプライ」。その花の数は・・・・、とても数え切れる量ではない。

 

イメージこれが、初代イングリッシュローズ 「コンスタンス・スプライ」の実力だ。

 

イメージ「コンスタンス・スプライ」の花を拡大したもの。花弁の数は多くないが、ふんわりとしたカップ咲き。素晴らしい香りをまとっている。

 

イメージ冬季の誘引作業は高所となるため、園芸業者の「花実屋」さんにお願いした。美しい樹形を保っているのも、冬季の誘引作業の賜物である。

 

イメージ右側に咲くのは、イングリッシュローズの「ジェネラス・ガーデナー」。「ジェネラス・ガーデナー」は一季咲きでは無いにも拘(かかわ)らず、コンスタンス・スプライに近い高さに到達しつつある。枝は剛直で、しなやかな枝をもつコンスタンス・スプライとは違った趣のあるバラだ。

 

イメージコンスタンス・スプライを縦構図で。

手前に咲く赤いバラは、「ルージュ・ピエール・ド・ロンサール」だ。「ピエール・ド・ロンサール」の名前を冠している事からわかる通り、メイアン社が作出したバラだ。

「ピエール・ド・ロンサール」と「ルージュ・ピエール・ド・ロンサール」は直接的な血縁関係はないが、銘花「ピエール・ド・ロンサール」の名前を付けていることからも、メイアンの自信をうかがせる。

 

イメージ一点注意すべくは、コンスタンス・スプライを植えるにはそれなりに広い空間が必要だ。一般的なオベリスクやアーチに収まりきれるようなサイズでは決してなく、こいつが最も真価を発揮しやすいのはやはり壁面であろう。壁面や広いフェンスに枝を這わせたら、最強の品種のうちの一つだろう。

 

イメージ色は定番のピンク色。ボクの経験では、カラフルな色のバラよりも、ピンク色のバラのほうが強健で強く、枯れる事がない安心感がある。また、一口にピンクと言ってもバラには100通りのピンクがある。一つとして同じピンク色はないのだ。品種ごとの差異のみならず、開花直後〜散り際までピンク色が変化し続ける。壁面をピンク一色で統一しても、素晴らしい効果を生み出せるだろう。

 

イメージ 毎冬、誘引作業のために園芸業者をお呼びしてコンスタンス・スプライのお世話をお願いしているのだが、ボクが日本に一時帰国するのは毎年夏頃であり、6月には帰国できない事は分かっている。つまり、自分の目でこのバラを見る事は出来ないのだ。
それでもいい。なぜならば、このバラはボクのために咲くバラではなく、毎年このバラを咲くのを楽しみにして下さっている方々に捧げるバラとなっているのだ。

ボクがこの美しく咲き誇る「コンスタンス・スプライ」をこの目で見る事が出来るのは、もうちょっと先の話になる。ボクはその瞬間(とき)を何よりも楽しみにしているんだ。

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