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2010.09.21

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses 最高の香り ジュート・ジ・オブスキュア

イメージ小学生だった頃、国語や社会の45分授業、木曜日の6時限という時間割、そして1年生〜6年生まで過ごした期間は永遠とも言えるほど永く感じたものだが、最近は時間が経つのがとても速く感じられるようになってしまった。
いつかどこかで読んだ記憶があるのだが、子供には時間を感じる時間細胞みたいなものが沢山あるので時間が経つのが遅く感じるのだが、加齢に従ってそれが減っていくために時間が経つのが速く感じられるようになるという。
それが本当かどうか分からないのだが、一つだけ確かなことはバラ栽培を始めてから時間が経つのが明らかに速くなった事である。これは時間細胞が減ったことよりもむしろ日々充実しているから早く感じるようになったというのが正解であろう。

バラ栽培を始めると、季節の微妙な移ろいが分かるようになり、その時々に応じたイベントが次々に発生するので、時間を持て余すことが無くなるのだ。イベントのほとんどは、雑草・肥料・中耕・農薬散布などの雑務が殆どであるが、その見返りとしてバラは時折ボクたちに素晴らしい表情を見せてくれることがあるからバラ栽培はやめられない。

今回は初めて素晴らしい表情を見せてくれた「ジュード・ジ・オブスキュア」を紹介したい。

「ジュード・ジ・オブスキュア」は押し並べて強香種が多いイングリッシュローズの中で、際立って強香とされる品種である。それを裏付けるかのように「NHK趣味の園芸 イングリッシュローズの全て」でデビッド・オースチン・ロージス社のマネジャー、マイケル氏が「ジュード・ジ・オブスキュアほど豊かな香りを持つバラはない」とまで語っている品種だ。
しかし、ボクの中でジュード・ジ・オブスキュアに対する評価は低く、「花は開かないし、巷で言われているほど強香じゃないよね・・・。」であった。実際、春の一番花、二番花ではジュード・ジ・オブスキュアより香りの強いバラは他にあって、どう考えてもパパ・メイアンやレディ・エマ・ハミルトン、グレイスのほうが強香だったのだ。

 

イメージそんなわけでジュード・ジ・オブスキュアの真の実力を知ることもなく時間ばかり過ぎていったのだが、秋の気配が確実に感じられるようになった9月下旬、遂にその片鱗を目の当たりにすることになった。夏に発生した勢いのあるシュートの先端についた蕾が開花し始めたのだが、見た目的には大したことがない4・5番花である。もっと美しいバラは他にある。よって、これで無香だったら印象に残らないまま剪定されてゴミ箱にポイされる運命をたどるのだが、しかしその香りたるや超強烈だったのだ。

香りは完全なフルーツ系でかなり甘く、雑味が無い。広範囲に発散するというよりも、ピンポイントでムンムン香り立っているようである。そして、内側のボール状となった花びらをこじ開けてみると、閉じ込められていた香りが解放されて更に強い香りを立ち上げたのだ。

「うわ。キョーレツ!」

 

イメージ香りでここまでの衝撃を食らったのは、バラに香りがあることを知らされたウィリアム・シェイクスピア2000、そしてパパ・メイアンの一番花以来で、これで3回目となる。

あまりの素晴らしい香りに感動してしまい、一輪摘み取って部屋に置いてみたところ、家族にも大人気だった。
上の娘なんかは花と鼻をくっつけてしばらく「スーハースーハー」していて、知らない人が見たらヤバい子に見えるほどであった。下の娘(1歳半)もその香りを嗅いで「ばら。ばら〜。」などと言いながら走りまわるなど、上々の出来である。

バラ栽培をしていて本当に素晴らしい美麗花に会えるのは年に2・3回あるかないか。同じように本当に素晴らしい香りに出会えるのは年に2・3回あるかないかである。否、確率的には美麗花に出会う確率よりも、素晴らしい香りに出会える確率の方が低いだろう。もっと言うと、ここまで素晴らしい香りには滅多に出会えない。
今年は異常気象で叶わぬものと思われたが、9月下旬になってジュード・ジ・オブスキュアからもたらされることになった。今では噂にたがわぬ最強の香りを放ちながら次々に開花中。

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