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2010.08.22

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses 2010 バラと香水

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世間一般的に言って男性は匂いに無頓着な生き物であり、女性は匂いに敏感な生き物と言われる。これは太古の昔、男は狩猟、女は果実を探すのが役目だった事が影響しているという。つまり、女性は目の前にある果実が収穫できるかどうか見分けるために、微妙な色の変化を見分けたり、匂いを嗅ぎとる能力に長けるようになったというのだ。本当かどうかわからないが、少なくともボクは妻よりも匂いに鈍感・無頓着なので、この仮説に異論はない。

時代はめぐるましく変わり、ひょっとすると最近の男子高校生あたりは匂いにも気をかけているのかもしれないが、普通に生活しているうえでボクが匂いを意識するのは、「しばらく洗ってないジーパンを洗濯機に放り込むタイミングを決める判断基準」「灯油が漏れた」「パン焦げてるよ?」「このおっさん、ポマードきつ過ぎ。」といったレベルでしかない。つまりボクにとって匂いは「クサいか、クサくないか。」の二択だけでしかなく、香りを愉しむといった発想は皆無だったのだ。

バラに出会うまでは。

匂いに無頓着だったボクは、バラ苗販売会場で初めて嗅いだウィリアム・シェイクスピア2000の濃厚な香りに衝撃を受けた。あれは今でもはっきりと思い出せる。

あの一撃をキッカケとして狂ったようにバラを蒐集し始めたのだが、その殆どが強香種であるのは当然であろう。そして、これほど素晴らしい香りがこの世に存在していたのか?と本気で思った。

その結果、庭や部屋がバラの香りで満たされるようになって、ボクの香りに対する感覚は少しはマシになったと思う。

時を同じくして、バラは香水の原料として使われていることを知ることになる。そんな事、女性にとっては常識かもしれないが、しかし、ボクの感覚でいえばバラが香水の原料になっていることを知っている男は少数だと思う。だって、男は匂いに無頓着な生き物であり、興味の対象はクルマ、バイク、家電、パチンコ、競馬そしてスポーツ観戦なのだ。バラと無縁の男がバラが香水の原料となっていることを知っているのは、むしろ不自然である。

バラを原料とした香水。それが気になるのは当然のことであるが、あの素晴らしい香りを持つ香水が本当に存在しているのだろうか?ボクは半信半疑であった。なぜならば、ボクは香水の香りが苦手なのだ。たま〜に電車に乗ると強烈な香水の香りをまとった女性に出くわすことがあるが、それはボクが電車や人ごみ、ひいては都会を嫌いにさせる理由の一つとなっている。ボクにとって香水とは「強烈なもの」でしかないのだ。しかし、香水嫌いのボクの考えを一変させる出来事があった。それは数か月前。長野―大分日帰り出張を命ぜられ、役目を終えて戻ってきた羽田空港での一コマである。

「あ”〜・・・・。づかれた・・・・。大分まで行ったのに、なんで日帰りなんだよ・・・・。一泊して湯布院か別府に行きたかった・・・・。ブツブツ・・・・。」などと言うつまらない愚痴が頭の中を駆け巡っていたときである。ふと気がつくと心地よい香りがどこからともなく漂ってきたのだ。それは甘い香りで、全く嫌味が感じられない。ひたすら心地よい香り。そしてそれは数メートル先を歩く女性のものであることはすぐに分かった。

「何?何だこの人!?めっちゃいいにおいなんですけど・・・!」

強烈な香水の香りに気がつくと、殆どの場合、歩を速めて追い抜いてしまうボクであるが、あの時だけは犬のようにクンクンしながらその女性が歩くペースに合わせ、方向が変わるまで後をつけてしまった。歩くたびにフワフワと漂うその香りは、出張の疲れを吹き飛ばしてしまう程の素晴らしい香りだった。今思うとあの時のボクは完全に危ない人になっていたと思うが、あの香りは初めてウィリアム・シェイクスピア2000に出会った時の衝撃に近いものがあったから仕方がない。

 

イメージ ボクは香水について無知だから、あれがバラの香水だったのかどうかは分からない。
分からないんだけど、もしバラの香水だとしたらダマスク系ではなく、どちらかと言うとフルーツ系のバラの香りに近かったように思える。

もっと具体的に言うと、澄み切った休日の早朝、咲きたてのエブリンから漂う香りそのものであった。

あの一件以来、ボクはバラを原料にした香水がどのようなものなのか気になって仕方がない。あれは何という香水だったのだろうか?色々調べてみたのだが、香水の世界は奥が深いということしか分からない。いくらネットで調べてもパソコンでは肝心の香りは確認できないことが、さらに謎を深める。そして実際に百貨店などで確認しに行きたくても、ボクのようなうだつの上がらない男が熱心に香水を選ぼうとしている姿は周囲から見てキモイだけであろう。

なにはともあれ、
クラブツリー&イブリン社とデビット・オースチン社が共同で作り上げた「イブリン
資生堂の「パパ・メイアン」(今は作ってないらしい)
が気になる香水である。

うーん・・・。どうしても気になる。妻へのプレゼントとして「イブリン」をネットで購入してみようか、本気で考えている今日この頃である。もし、これがエブリンの香りを再現しているとしたら、それは香りの芸術品だと思うんだ。

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