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2010.07.10

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses 2010 バラと写真

イメージ念願の一眼レフカメラマクロレンズを手に入れた。そして、最も美しいバラを意識的に選び、撮るようになった。その結果、あなたのバラ写真は今まで撮っていたものよりも段違いに素晴らしいものになっているに違いない。一般的にはこれで十分かもしれないが、慣れてくるとその美しさをもっと引き立てたくなってくる。

バラの美しさを更に引き立てるためには、背景に気を使うようにするとよい。そして、大きくて重い一眼レフカメラをわざわざ使わなければならない最大の理由。それは背景をコントロールできるからだ。これこそがコンパクトデジタルカメラでは到達できない領域であり、一眼レフカメラが持つ最大の魅力でもある。それでは、具体的に何をすればよいのだろう。ボクが確認するのは主に次の2点である。

(1)余計なものが後ろに写り込んでいないことを確認する。
(2)被写界深度。どこまでピントを合わせて撮るか。

(1)写り込み

イメージ例えどんなに美しいバラが収められていたとしても、後ろに余計なものが映っていたら台無しである。
背景として映っちゃいけないものを挙げてみると、「バケツ」「ビニールシート」「クルマ」「「電柱や電線、黄色と黒のシマシマ」「ブロック塀」「各種看板類」である。ボクの中で、青いバケツが背景に写りこんでいる写真は最悪であり、そのような写真は絶対に撮らない。

逆に背景として好ましいものは、「花」「レンガなど雰囲気のある構造物」「光点」などが挙げられる。

 

イメージファインダーを覗いたら、シャッターを切る前に、画面の隅々まで確認する習慣をつけよう。そして、背景に余計なものが映っていた場合、次の選択肢の中からどうすればよいのか選ぶのだ。

・邪魔なものを片付ける
・邪魔なものを移動できない場合、写らないように構図を変える
・邪魔なものを移動できない場合、背景を思い切りぼかして撮影する。
・鉢バラの場合、都合のよい場所に移動する。
・どうしても上記が無理な場合、撮影を諦める

 

イメージ最も簡単なのは鉢バラだ。地植えのバラは移動できないが、鉢バラは自分の好きな場所に移動できるので、バラ写真において有利な条件を意図的に作り出すことができる。

 

イメージ 左の画像は玄関扉に鉢を移動して、背景に写りこむものをすべて排除して撮影した例。こうすることによって、背景に気を使わず、バラだけに集中して撮影できる空間を作り出す事が可能だ。
ボクは玄関扉の前に移動してから撮影に臨むことがとても多い。これは最も簡単かつ効果的な方法なので、試してみて欲しい。

イメージもう少し高等テクを使うとするならば、バラによって背景の色を変えるのも一興である。
左の画像はミスターリンカーン。黒い背景を使って赤いバラを引き締めて撮影した。黒い台紙に赤いバラを描いたようになる。
ちなみに、黒い背景の正体は、どこにでもあるような黒いクルマである。身の回りにあるものが背景にどのような効果を与えるか考えることによって、このような演出はいくらでも可能になってくる。

背景に気を使う。これは心構えでかなり写真が上達するが、次は話が少し難しくなる。一眼レフカメラを扱ううえで最も意識したい背景のボケ量、<被写界深度>についてである。

(2)背景のボケ<被写界深度>

イメージ一眼レフカメラは背景のボケ量を意図的にコントロールできる。少し難しい言葉で、「被写界深度」と言うが、背景を大きくボカしたり、逆に背景までピントを合わせて撮影することができる。ボケ量のコントロールこそが、一眼レフカメラの醍醐味である。

ところで、人物写真を「ポートレート」と呼ぶが女性モデル等を主体にした、芸術作品としてのポートレートは背景が大変重要な意味を持っている。手法としては背景を美しくボカし、モデルを浮き上がらせるように撮影している場合が多い。
左の作例は、AiAF Nikkor85mmF1.4D(IF)というレンズで撮影した写真である。このレンズは背景のボケ味が特に美しいレンズとして確固たる地位を築いている。この場合、木漏れ日を利用して背景にまんまるの光点ボケを作り出し、主題を浮きがらせるようにして撮った。そして、これらは全て計算して撮っている。
これをコンパクトデジタルカメラで撮影した場合、背景にもピントが合ってしまうため、全体的にチャカチャカした印象の写真になってしまう。

バラの撮影はどうだろう。ボクは「バラもポートレート」だと思って撮っている。なぜならば、女性もバラも美しさを引き立てる手法は全く同じに思えるからだ。つまり、バラ写真も背景のボケ味が非常に重要なんだ。

 

イメージ ここでボケ量をコントロールしたければ、まずは大きくボケる条件を覚えよう。これはとても大切なことだ。もしこれを知らないで一眼を扱っているとしたら、残念ながらその人は一眼を使いこなしているとは言い難い。
<重要>
(a) 望遠レンズほど、大きくボケる
(b) F値の小さいレンズ(大口径レンズ)で、絞り開放付近で撮影すると、大きくボケる。
(c) 近くに寄って撮影すると、大きくボケる。

 

イメージ 作例:ティ・クリッパー

(a) 300mmの望遠レンズ
(b) そこそこ近くで
(c) 絞り f4.5

望遠レンズで近くで撮影し、背景を大きくボカした。後ろにボカしたコンスタンス・スプライを配置し、アクセントとしている。

(b)に絡み、先の解説でバラ撮影に使用しているレンズを紹介しているが、これらは全てF値2.8以下の大口径レンズだ。つまりボケ量を劇的に変化させることができるレンズである。目安として覚えておきたいのは、F2.8以下のレンズはキレイにボケる。よってF1.4は超ボケるレンズであり、F3.5〜F5.6クラスのレンズは劇的な変化を味わいにくいレンズである。せっかく一眼を所有しているのであれば、F2.8クラスのレンズを一本は所有しておきたい。

ちなみにここの解説を読んだだけで、この域に到達するのは到底無理である。奥が深すぎて、ボクのような素人が説明するには重すぎる話題だ。ここから先は写真を学ぼうとする姿勢が非常に重要になってくる。カメラ店などで開催される教室に参加するのが上達の近道だし、専門書で学ぶのもよい。
たった一つだけアドバイスできるとしたら、一眼レフカメラには「Autoモード」「風景モード」「接写モード」「人物モード」などが用意されているものがあるが、それらはカメラ任せでの撮影となる。そしてカメラ任せで撮影していたら、なぜ背景がこのように写っているのか理解できず、いつまでたっても上達できない。背景を自分でコントロールしたければ、「絞り優先モード(A」)」で撮影するのが基本中の基本である。レンズの絞りを開ければ背景がボケるし、絞りこめば背景までピントが合う。最初は面倒に思えるが、「絞り優先モード」で撮ることが上達の近道なんだ。
少なくとも、ボクはバラ撮影において「絞り優先モード(A」)」以外で撮影することはまず無いと言っていい。本HPに張り付いている画像のExif情報を見ていただくと一目瞭然である。それらは全て絞り優先モードで撮影され、状況に応じて絞り値を変化させて撮っているのが分かるはずだ。
ボクは、ボケ量にこだわってバラを撮っているんだ。

 



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