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2010.06.30

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses ワイルド・エドリック 2010

イメージバラ栽培の楽しみは開花だけじゃない。開花だけが楽しみであるとするならば、ボクはここまでハマっていなかった。一番花の後に発生するベーサルシュートから大きな喜びを得ることができるし、剪定・誘引・花柄摘み・水やり、果ては雑草取りといった雑務すらも、邪心に満ちたボクが無になれる貴重な時間となっている。バラの「ライフサイクル」がボクの「ライフスタイル」に組み込まれるような感じである。このように、シーズン通してボクの心をつかんで離さないバラ栽培であるが、最もドラマティックで心を躍らされるイベントとして挙げられるのは、「新しいバラを選ぶ」事であろう。

この「バラ選び」。ある程度「計算」して選ぶのは当然であるが、ボクは「直感」「衝動」も大切にしている。比率的には計算:直感=6:4ってところだ。計算し尽くしてバラを選ぶと、計算通りの結果にしかならないし、万が一計算通りにならなかった時に問題となる。例えば、「思いのほか大きくなりすぎた」 「思ったより返り咲かない」、「カタログ通りの花が咲かない」などである。計算通りに成長しないバラを目の前にして、ボクたちは失望感を味わい、結果的にそのバラはリストラされる運命をたどる。

恋愛において「一目惚れ」が意外に長く続くケースは多いと思っているが、バラ選びでも全く同じ事が言える。パッと見た瞬間にいいと思ったバラは、あなた好みのバラである。あとは樹形を確認し、植える場所さえ間違えなければ、あなたとそのバラの関係はほぼ100%うまくいく。この場合、その後の成長で多少の粗が目についたとしても、それこそがそのバラが持つ個性だと、広い心で受け止められるようになるから不思議である。それには、カタログやネットをひたすら眺めているだけではダメだ。現地に赴き、沢山のバラをこの目で見て、「出会いの機会」を作る事が絶対に必要である。

 

イメージ今回ご紹介するのは、「ワイルド・エドリック」。バラ祭りの会場で初めてその存在を知る事になったバラであるが、確認したのは樹形だけ。あとは直感・衝動に任せてそのまま連れて帰ったバラだ。「なんでコイツなの?」と聞かれてもうまく説明が出来ない。ただボクはこのバラから「ハイレベルな何か」を感じ取っただけである。

枝ぶりはゴツくて粗く、コンスタンス・スプライやコンテ・ド・シャンボールに通ずる荒々しいトゲが全身を覆っている。ハマナスの血を色濃く引いているようだが、葉は柔らかく、特徴的な緑だ。そして、そこに咲く花は大きくて不格好な半八重。ステムは短く、葉にうずもれるようにして、咲く。

例えば、「プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケント」などは洗練された雰囲気を持ち、超がつくほど端正な美麗花を咲かせる。そしてそれは誰がどう見ても美しい花である。
しかし、「ワイルド・エドリック」はそうじゃない。不揃いな半八重だ。しかし、コイツはかなりレベルが高いバラだと確信している。コイツはボクを惹きつけてやまない「オーラ」を持っているんだ。そして、この「オーラ」を持っているバラは決して多くなく、他にはコンスタンス・スプライが挙げられる程度である。

 

イメージともすれば美麗花ばかりに目が行ってしまうバラ選び。しかし、販売会場で咲き乱れる500鉢のバラの中から、ボクはコイツを選び出した。無数にあるバラの中から、このバラの魅力を見い出す事が出来たってことは、ボクの選美眼も少しは磨かれてきたってことかもしれない・・・・、などと自画自賛している。

今ではすっかりお気に入りとなり、Aゾーンに地植えされるなどの厚遇を受けている「ワイルド・エドリック」コイツの本領が発揮されるのは、来年以降。そしてボクはそれをとても楽しみにしているんだ。

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