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2010.06.28

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses ティ・クリッパー 2010

イメージ大抵の花は全開状態よりも、開きかけが最も美しいと思う。桜だって満開よりも、一歩手前くらいが好みである。

バラについても同じことが言える。特にハイブリット・ティは、開きかけの状態ではこの世のものとは思えないほどの究極的な美しさを放つが、花が開き切ってしまうと形が崩れてしまう事が多い。勿論、イングリッシュローズも開きかけが最も美しいと思うし、開花の過程で形が崩れてしまう品種はある。しかし、イングリッシュローズ全般を見渡すと、花が開き切っても美しい品種が多い。これは大変ありがたい性質だと思う。
その中で開花の過程全てが特に美しいイングリッシュローズが我が家に2つある。それが「グレイス」と、今回紹介する「ティ・クリッパー」だ。

 

ティ・クリッパーの開花過程
開花直前 開花開始
8部咲き 全開
全ての過程が揃い踏み

 

イメージ ティ・クリッパーは2006年に発表された比較的新しい品種である。当初はデビッド・オースチン・ロージスよりシュラブとして紹介されていたのだが、最近になってクライミングとしても紹介されるようになっている。それもそのはず、このバラはデビッド・オースチン・ロージスのホームページ上では「非常に返り咲く」とされているにも関わらず、我が家において言えば、2番花以降に花を咲かせることは殆ど無く、とにかく枝を伸ばす方向にシフトする。その枝はトゲが少なく、しなやかで大変扱いやすいものである。よって、ボクはすぐにティー・クリッパーをつるバラとすべくフェンス際に植え替え、今年で3シーズン目となる。ちなみに、つるバラとした時点で返り咲き性が弱いというのは、ボクの中で欠点ではなくなる。だって、つるバラなんだから、返り咲かなくて当然である。

つるバラのくせに小さく、枝が扱いやすくてキレイにまとまる初心者向けのつるバラとして、個人的にはかなり気に入って育てていたのだが、1、2シーズン目までは大した印象が無かったのも事実である。しかし、3シーズン目は株の充実に伴ってか、ボクの期待以上の働きを見せてくれたのである。今まで見た事も無い大輪の花をいくつも咲かせるようになったのだ。しかも花の重さで下を向いてしまう事も無く、最も美しい正面を向いて咲いてくれる。これはかなりポイントが高い
花は直射日光に強く、花もちがかなりよい印象がある。最期の最期は白くなってバッサリ散る。実に潔い散り方で、見ていて気持ちがよい。 上に掲載したように、開花の過程の美しさは特筆すべきものがあると思っているが如何であろう。
香りは名前から察する通り「ティー系」。強烈ではないが、気品のある香りを持っている。

個人的にはお気に入りのティー・クリッパーであるが、それでは「手放しでお勧めできる品種か?」と言うと、躊躇してしまう。理由はブラインドを発生させやすいからだ。他の品種も多少なりともブラインドするが、ティー・クリッパーの場合はブラインドが原因で明らかに花数が少なくなってしまう。ボクが所有するイングリッシュローズの中では、ブラザー・カドフィールが最もブラインドを発生させて困っている品種だが、その次に多いのがティ・クリッパー。下の画像は美しいが、何となくスカスカしているのは、ブラインドで花数が減ったためだ。

 

イメージそれでも、花数半分だったとしても、この美しさを誇るのだ。タラレバの話になってしまうが、もしブラインドせずに花密度が倍になっていたら・・・と想像してみる。最強に美しい小型のつるバラになって、ボクは万人に薦めまくる品種になると思うんだ。かなり惜しいが、全てを兼ね備えたバラはこの世には存在しない。否、完璧なバラなど存在してはいけないのだ。

 

イメージ多少の欠点など気にしない、包容力に自信のある方は「ティ・クリッパー」を手にして欲しい。ちょっと我慢して育てれば、いつの間にかコイツの虜になってしまうかもしれない。少なくとも、ボクはこのバラが好きなんだ。

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