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2010.06.12

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses コーヴェデイル 2010

デビッド・オースチン・ロージスの2010年度版無料カタログの配布が開始された。この無料カタログ、個々の品種紹介の文面はデビッド・オースチン・ロージスのホームページと同じであるが、年を追うごとに内容が充実してきている。デビッド・オースチンの日本向けの挨拶に始まり、後半には鉢での育て方、生け垣としての使い方、宿根草との組み合わせ、半日陰に向くもの、耐寒性のあるもの、花柄摘みの仕方、苗の植え方、夏剪定の仕方など、、ホームページに載っていない内容が多数掲載されている。
小さく薄いので、例えばバラ苗が一堂に会する販売会場に持って行っても邪魔にならず非常に役に立つ。充実の内容なのに無料。イングリッシュ・ローズファン必携の一冊と言えるだろう。

この無料カタログ、2010年は114品種のバラが紹介されているが、その内容は大きく3つに分けられる。華々しくデビューした「最新品種」、主力級の「メイン・コレクション」、そして「その他のイングリッシュローズ」である。
2010年の最新品種は、「スーザン・ウィリアムズ=エリス」「メイド・マリオン」「キャリアド」「イングランズ・ローズ」「ザ・レディーズ・ブラッシュ」「プリンセス・アン」の6品種だ。育種段階で25万分の1という厳しい競争を勝ち抜いた精鋭たち。カタログに添付されている注文票を使えば早くも入手可能なので、興味のある方は早速人柱となっていただき、その魅力を外部に発信いただきたい。
メイン・コレクションは、「アブラハム・ダービー」「ウィリアムシェイクスピア2000」「グラハム・トーマス」「ヘリテージ」「ガートルード・ジェキル」「レディ・エマ・ハミルトン」「ストロベリー・ヒル」「ゴールデン・セレブレーション」など、まさに第一線で活躍している人気の品種群だ。大きな写真で大々的に紹介されているそれらは、イングリッシュローズの主役たちである。
その他のイングリッシュローズとして紹介されているものについては、紙面の都合によるものかもしれないが、1ページに6品種という割合で、冊子後半に小さく紹介されている。顔ぶれをみてみると、たしかに一昔前だったり、ちょっと人気が無い?と思われたり、現在の基準には適合しなくなっていると思われるものが多い。
では、メイン・コレクションはよくて、その他のイングリッシュローズはダメなのか?というとそんなことはまったく無い。あえてメイン・コレクションから外れている品種を選ぶ事によって、自分だけのお気に入りを見つける事が出来るのだ。今回はそんなバラの中から「コーヴェデイル」を紹介したい。

コーヴェデイルの作出は2001年。2000年代作出の品種なので旧くなく、むしろ比較的新しい品種といえる。それにもにもかかわらず、2010年のカタログでメイン・コレクションに成り得なかっただけでなく、2008年、2009年度のカタログではその存在すら紹介されていない不遇のバラである。
それはなぜだろう。ボクの勝手な推測では、「うどん粉にかかりやすいから」だと思っている。デビッド・オースチン・ロージスは耐病性の向上を強力に推し進めており、うどん粉にかかりやすいコーヴェデイルは基準に適合していないのだ(と思う)。しかし、ボクは基本的にバラは病気に弱いものだと思っているし、農薬散布による病気の防除を徹底しているので、耐病性の強弱が評価に影響する事はあまりない。

コーヴェデイルの魅力。それはボクが所有する60株のなかで、「No.1の可愛さを持つ品種。それもダントツに。」と言う事に尽きる。

 

イメージまんまる・ころころオープンカップ
花びらは、くっきりとした「ハート型」
僅かにライラックを帯びた濃いピンクに、中心に輝く黄金のしべ

こんなに可愛いバラは、我が家において他に無い。コンスタンス・スプライに少し似ているが、違う。コンスタンス・スプライは荘厳さすら感じさせる「オーラ」を身にまとっているが、コーヴェデイルにはそのようなオーラはないのだ。ただひたすら可愛い花。あまりの可愛さに感動してしまい、リビングからもっともよく見える位置に地植えされているのだ。
ちなみに、ゴージャス系のバラは花びらが少なくなる夏場になると途端に貧弱になってしまうが、コーヴェデイルは元々の花びらが少ないので、問題にならない。むしろ花びらの数が多い1番花よりも、2番花3番花の方がその魅力を存分に発揮してくれる。

 

イメージ実用面においては、伸長力があり、多くのイングリッシュローズと同じように枝を伸ばす傾向がある。よってつるバラ的に仕立てたくなるが、ステムをかなり長く伸ばすのでそれもまた難しかったりする。つまり完成された樹形とは言い難い。枝ぶりを見ると誰にでも使いやすい品種とは言えないのだ。
だけどコイツはそれを補って有り余るほどの可愛さを持ち合わせており、ボクの中でかなりお気に入りの品種なんだ。

 

イメージ ちなみに、この手のバラで最近作出の品種に「スカイラーク」が挙げられる。コーヴェデイルによって半八重に目覚めた結果、スカイラークも5本の指に入るくらいの候補品種となっている。しかし、花単体の可愛さで勝負したらコーヴェデイルには敵わないので、購入には至っていないのだ。

枝が多少暴れても問題とせず、とにかく可愛い品種を探している。もしくはこの画像に少しでも惹かれるものがあるならば、「コーヴェデイル」を見かけとき連れ帰って欲しい。その愛くるしい花にハマってしまう確率は、かなり高い。

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