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2010.05.30

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses 美の頂点 ハイブリット・ティ 2010

イメージ3年前まではバラになんて全く興味が無かったから、以前流行っていたバラの事なんてよく知らない。だけど、現在の流行がハイブリット・ティタイプからイングリッシュローズに代表されるクラシカルなタイプのバラに移っているという事くらいは分かる。独自に行った解析からもそれは明らかであり、イングリッシュローズはこの世の春を迎えているかのような人気ぶりである。かく言うボクも現在所有している63株のうち42株がイングリッシュローズが占めており、ハイブリット・ティは5株しかない。

ボクが思うに、ハイブリット・ティは栄華を極めすぎてしまったのだと思う。「栄枯盛衰」という言葉があるが、栄えるものは必ず衰えるのがこの世の常であり、何か一つが栄え続けると言うことは絶対にあり得ない。では何故ハイブリット・ティの人気は衰えてしまったのか。ボクの浅はかな見解では3つの要因がある。

1つ目は「増えすぎた」。近所を歩くと殆どのお宅には一本くらいバラが植えられている。そして、それは例外なくハイブリット・ティである。ここで問題なのは、そこらじゅうに植えられたハイブリット・ティは手入れがされておらずボロボロになっている場合が多い。これではバラを植えたいと思わないだろう。何処に行っても汚らしく存在しているハイブリット・ティは、ボクがバラを毛嫌いしていた最たる理由となっていた。
2つ目は、「飽きられた」。高芯剣弁咲が代名詞のハイブリット・ティだが、長年に渡って栄華を極めた結果、単純に高芯剣弁咲が飽きられてしまった可能性は高い。そこにきて、クラシカルな花様が新鮮に写ったのである。
3つ目は、「市場の都合」。ピースに代表される歴史的銘花揃いのハイブリット・ティであるが、権利が切れて誰でも安く増やせるものが多い。売る側としては、高値安定で需要のあるイングリッシュローズ等に力を入れるのは当然の事である。

ミスター・リンカーン

イメージ では「ハイブリット・ティはダメなのか?」と言わるとそんなことは全くない。ちゃんと手入れさえすれば、ハイブリット・ティは先人達が追い求め続けた究極の美しさを放つときがくるのだ。その美しさたるや「百花の王」に相応しいものであり、他を寄せ付けないオーラを持ち合わせている。画像は、今年咲いたミスター・リンカーンオクラホマである。

オクラホマ

イメージこの存在感を目の前にすると、隣で健気に咲いているシャリファ・アスマやプリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケントなどは残念ながら目に入ってこない。
さらには超濃密なダマスク香を周囲に放つ。我が家においてここまで強烈な香りを持つバラは、他には兄弟種のパパ・メイアンだけである。

ピース

イメージ唯一残念なのは、圧倒的な美しさを放つのは春と秋の2回、それぞれ数日間だけである。四季咲きと言えども真夏のハイブリット・ティは花弁の数が激減して観賞価値は無い。最も美しいのは1番花の8分咲きという極めて短い期間だ。そして翌日が暖かくなると一気に咲き進んで崩れ去ってしまう。イングリッシュローズはグレイスに代表されるように、咲き始めから開き切るまでの過程全てが美しい品種が多いが、ハイブリット・ティには一瞬で崩れてしまう儚さがある。

開花に至るまで莫大な労力をかけて、その美しさに触れられるのは年に数日だけ。しかし、それでも先人達が追い求め続けた究極の美しさには他に代え難い魔力が備わっている。また再び目の前で再現させたいがために、ボクは今日もハサミを片手に庭に出てしまうんだ。

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