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2010.04.30

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses 2010 バラと西日条件

4月はバラに待望の蕾が出来始めるシーズンであり、4月の気候によってバラの一斉開花の時期が左右されると考えている。近所には一目10万本と言われるほどのあんずの里があるのだが、2010年は例年より1週間ほど早く開花・満開を迎えたので、今年の春は暖かいと思っていた。言うまでもなく、4月は暖かい方がバラの成熟は早く進むので、杏や桜の例年より早い開花に心が躍ったものである。
しかし、そううまくいかないのが常である。桜が開花したと思ったらダウンジャケットを手放せないほどの寒の戻りに見舞われ、最低気温が1度、最高気温が9度と言った記録的な寒さが連日続いたのだ。4月16日の深夜から早朝にかけて大雪が降った時にはどうなるかと思ったものだ。ボクの中で15度〜20度になるとバラが急激に成長を始めると考えているのだが、15度を上回ったのはたったの数日しかなかった。20度なんてもってのほかである。この影響をモロに受けたのが農作物であり、原油価格上昇のあおりも受けて野菜の小売価格が高騰。ちょっとした騒ぎとなってしまった。
結局、暖かいと思っていた2010年の春は記録的な寒波に見舞われたため、2009年と比べて蕾の発生が10日程遅くなってしまった。一部の品種は霜にあたってブラインドを多発するなど、散々な4月であった。

 

イメージ所で、2010年4月25日の時点で蕾の発生が確認できたのは下記のとおりである。

ピエール・ド・ロンサール
ルージュ・ピエール・ド・ロンサール
ジェネラス・ガーデナー
ゴールデン・セレブレーション
春がすみ
パット・オースチン
マダム・ピエール・オジェ
クラウン・プリンセス・マルガリータ。

 

何とマダム・ピエール・オジェとマルガリータを除き、残り全てが完全西日条件化で育てているバラなのだ。西側のバラ達が次々と蕾をあげてきているのに対して、東側のバラ達は沈黙を保ったまま。これは一体どういうことか。西側に植えたバラが早咲きで、東側が遅咲きがたまたま揃った・・・では説明がつかない。そんな偶然があるわけない。ここは、バラの生育には東側も西側もあまり関係なくて、我が家ではむしろ西側の方が好条件だと考えた方が無難であろう。
この結果を受け「バラに西日は禁物」などという通説に対し、なんでこんな通説が出来てしまったのか不思議に思う。こんな通説があるがために、バラ栽培をあきらめてしまった人がいたら、それはとても悲しい事である。

このように、バラには根拠に乏しい通説が沢山あるから困ったものである。「西日は禁物。」「日当たりの悪いところはNG。」「広い場所を与えましょう。」「有機栽培は安全で、化学肥料は土地を荒らします。」「農薬の使用は控える事」・・・・などが代表的なものである。これらの通説は、すべてバラ栽培の敷居を高く、間口を狭くするようなものばかりであり、全国無数にある家庭の事情を無視した一方的な押しつけである。これらを鵜呑みにしていると、本来楽しいはずのバラ栽培が非常に窮屈なものになっていくので、基本的には無視した方がよい。ボクにとって、有機栽培や無農薬といった何となく聞こえの良いキレイ事はどうでもいいことで、重要な事は他にあると思うんだ。

ボクは一人でも多くの人にバラの楽しさを味わってほしいので、バラ栽培の敷居を低く、間口を広くしたい。だからボクの主張は真逆である。西日でもバラは健全に育つことを実証したし、日当たりが悪くて狭い庭でも、つるバラを使えば解決できる。アーチや壁面は巨大なキャンパスとなるし、高所に這わせれば日光に手が届くかもしれない。化学肥料の効果は絶大だと思っているし、病害虫に悩まされているならば農薬に頼ったっていいではないか。周囲の雑音を排除し、自分の庭と正面から向き合い、何をすればよいのか自分で考える事によって、どんな環境でもバラ栽培を楽しむ事が出来るのだ。

しかし、そんなボクでもこれだけは絶対必要だと考えている重要な事がある。それは「手入れ」だ。植えたら植えっぱなし、咲かせたら咲かせっぱなしにする、放置・放任だけはダメだ。
バラは1・2年も放置すると樹形が乱れるし、病害虫に侵されてしまう。灰色かび病に侵された咲きガラが頂点にしがみついているバラなど、庭を形作る素材として最悪である。年に一回だけ行う冬季の剪定作業すらやる気がない方は、バラ栽培はやめた方がよい。放置されたバラがそこにあるくらいならば、そのバラと、そのバラを作出した育種家の名誉のためにも、いっそのこと切り倒してしまった方がよいと思うんだ。

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