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2010.04.24

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses 2010 レディ・オブ・シャーロットを注文

テレビや冷蔵庫、パソコンと言った家電。またはクルマや住宅に至るまで、世の中の殆どの物は新しい物ほど良いというのは明白である。しかし、バラに関しては新しいものほど良いという図式は当てはまらない。確かに、新しい品種ほど流行にマッチしており、耐病性も高められているかもしれない。しかし、毎年膨大な品種が発表されている中で、その殆どが数年で淘汰されている現実を忘れてはならない。本当に優れたバラとは新しいバラの事ではなく、何十年もの間カタログ落ちすることなく人々に愛され続けているバラの事である。自然界では生き残った種が優れた種であるが、バラの場合は私たち愛好家による選別・淘汰に耐え抜いた品種こそが優れた品種なのだ。そういった意味で考えると、世界バラ連合の殿堂入りを果たしている13品種は、熾烈な競争を勝ち抜いた究極のバラである。

と言う事はつまり、絶大な人気を誇るデビッド・オースチン・ロージスから最新品種が出たからと言って、これは最高品種だなどと言いながらそれに飛びつくのは浅はかな行動だと言うことが分かる。育種段階で8年かけて10万分の1という極めて厳密な選別を経て華々しく発表される最新品種であるが、これらは市場の洗礼を受けていないのだ。ここはアツくならずにグラハム・トーマスやメアリー・ローズ、ヘリテージなどと言った従来より認められ、確固たる地位を築き上げている品種を求めるのが賢い選択であろう。これらは大変優れているにもかかわらず、市場の流通価格も安くなっているのも大きな利点だ。

しかし、である。そうは言っても「最新品種」という響きは特別である。年に一度だけ発表される新品種に心を乱されるロザリアンは少なくない。かく言うボクも新品種と言うふれこみにはめっぽう弱いのだ。最近発表された品種のなかでも、これだけの品種を所有していることからも、いかに新品種に弱いか見て取れる。

2004年発表
ハーロウ・カー

2005年発表
ジェントル・ハーマイオニー
レディ・エマ・ハミルトン
サマー・ソング

2006年発表
シスター・エリザベス
ストロベリー・ヒル

2007年発表
クレア・オースチン
ポート・サンライト
プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケント

2008年発表
サー・ジョン・ベッジャマン

2009年発表
レディ・オブ・シャーロット


そう、いきなり「レディ・オブ・シャーロット」を注文してしまったのだ。最新品種だけあって6880円というプレミア価格。今までに60株以上のバラを購入してきたが、最も・・・しかも断トツの価格である。
何故そんな事をしてしまったのか上手く説明できない。数年待てば評価も固まり、半値以下で入手可能になるのは分かっている。ひょっとしたら、サマー・ソングのようにチリチリ・ソングになってしまう品種かもしれない。そんなことは頭では分かっているんだけど、最新品種という悪魔のささやきに打ち勝てるほどボクは強くはないんだ。

ところで、細かくこのホームページを読んでくださっている方は少し疑問に思ったかもしれない。2009年作出品種の中で最有力候補は「ウェッジウッド・ローズ」だったハズだ。確かに6880円も出す覚悟があれば「ウェッジウッド・ローズ」を入手できる機会はいくらでもあった。しかし、何故か手が出なかった。理由はボクにもよく分からない。ただ一つだけ言えるのは、2009年新品種が発表されたとき、最初に目についたのが「レディ・オブ・シャーロット」だったという事だけである。デビッド・オースチン・ロージスによる解説を抜粋すると下記である。

 

イメージ特異なほどに花付きの良い品種で、つぶのそろった花が素晴らしい葉の上に広がります。蕾の初期はリッチなオレンジ赤で、開いていくごとに丸みをおびた、聖杯のような花がつき、少しルーズめに花弁がならびます。花弁の表側は美しいサーモン・ピンクで、裏側の黄金色に輝く魅惑的な配色と素晴らしいコントラストを作り出します。聖杯のような、というとおり花弁の内部は比較的容易に覗くことができ、その深い色みは感動的なインパクトを与えます。温かみのある、ティー系の香りで、りんごとクローブの香りがかすかにのります。

 

ボクが最も惹かれたのは、「花弁の表側は美しいサーモン・ピンク」。ここである。このフレーズが最後まで頭から離れなかったのだ。画像を確認すると、レディ・エマ・ハミルトンかパット・オースチンに近い花色に、薄いピンクが乗った覆輪花に見える。イングリッシュローズの覆輪系は珍しい。
「イングリッシュローズのすべて」を開くと、樹形的には横張り系とされているので、扱いに手を焼きそうだ。しかし、誘引すると枝が長く伸びるとの一文に、つるバラとしての可能性を見出してしまったのだ。コイツとクラウン・プリンセス・マルガリータを共演させたい。そんな妄想が頭の中で繰り広げられていたのだが、ふと我に返った時には既に注文ボタンをクリックした後だったというわけだ。到着は1週間後。楽しみである。

ところで、早くも2010年最新品種の情報が入ってきている。2010年は「イングランズ・ローズ」「プリンセス・アン」などピンク系が多いようだが、つるバラ仕立てが可能な「キャリアド」は気になる存在である。近いうちにデビッド・オースチン・ロージスのホームページやカタログで発表があると思うが、一刻も早く知りたい方は書店に「イングリッシュローズのすべて」を買い求めると情報が入手可能だ。

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