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2010.04.12

shinzou's Roses コラム

本の紹介 イングリッシュローズのすべて

近所の書店に行き、おもむろに園芸コーナーに足を運ぶと多種多様なバラ関連雑誌が並んでいる。その種類の多さは他の園芸植物と比べて群を抜いて多い。つまり、全ての園芸植物の中で、バラは最も情報量が豊富に揃った素材だと断言できる。情報は、ないよりあった方がいいので、悩めるロザリアンにとってこの状況は本当に喜ばしい事である。
しかし、注意点もある。それは、バラの生育に関しては様々な見解が存在しているため、その本に書いてある事が自分のバラに必ずしも当てはまるとは限らないからである。樹形・香り・耐寒性・耐病性・日当たり・土壌等に関する記述がそれにあたる。特に、耐病性に関して曖昧な記述に終始している本があまりにも多い。曖昧な記述ゆえに誤解をうみ、その結果それを読む者を混乱させている場合が多い。
このような状況はネット上でも全く同じ事が言える。ボクは自身の経験から、「バラは病害虫に弱い植物」と位置付け、「バラは農薬による防除が必要だ。」と一貫して主張している。しかし、他の方のホームページを見ると「無農薬栽培」「減農薬栽培」を推進していたり、「バラは病害虫に強い」と主張している方が多い。この状況を考えれば、バラ関連雑誌にも多種多様な主張がなされているのは当然の事だと納得できる。
ちなみに、今まで沢山のバラ関連雑誌に目を通してきたが、ボクが共感できたのはほんの数冊に過ぎない。そんな中、過去に読んできた本の中の何よりもボクの見解やデータと一致した本を見つけたのでご紹介したい。


「イングリッシュローズのすべて」

イメージ別冊 NHK 趣味の園芸
監修 有島 薫/鈴木 満男

 

「イングリッシュローズのすべて」とは、また大胆なネーミングだと思い、手にとって見たところ驚いてしまった。ボクが成長記録として取りまとめている品種のデータや、その品種に抱いている印象と、この本に書いてある記述が見事に一致していたのだ。
耐病性に関する記述も極めて秀逸で、「とても強い」、「強い」、「普通」、「弱い」の4段階で評価されており、ほとんどの品種は「強い」、もしくは「普通」に分類されている。薬剤散布が不要な「とても強い」とされる品種は僅かしかない。ここで、葉を落とさない生育のためには、「強い」は月1・2回、「普通」は週1回の薬剤散布が必要と解説している。つまり、イングリッシュローズの健全な生育のためには、農薬散布は必要であると解釈できる。さらに、バラに適用のある農薬も詳細に記されており、これらの情報はボクが知りたいと思って調べ、ホームページに載せていた内容そのものである。

個々の品種の一致ぶりを示すのが、下記の例である。

コンスタンス・スプライ
ボクの印象 : 「うどん粉にちょくちょく侵されるが、そういえば黒点病には全くかかっていないな」。コンスタンス・スプライのデータ参照。
本 : 「うどん粉は発生しやすいが、黒点病には強い」と書かれている。

ジュビリー・セレブレーション
ボクの印象 : 黒点病にかかりまくる。ジュビリー・セレブレーションのデータ参照。
本 : 耐病性は「普通」。週一での農薬散布が推奨されている。

プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケント
ボクの印象 : 最新品種にもかかわらず、意外に黒点病に弱い。プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケントのデータ参照。
本 : 耐病性は「普通」。週一での農薬散布が推奨されている。

ストロベリー・ヒル
ボクの印象 : これはつるバラだ。
本 : 記載されている樹形図と一致。誘引すると3mと記載。

ブラザー・カドフィール
ボクの印象 : やたらに長く枝を伸ばす。
本 : 記載されている樹形図と一致。

その他所有する品種と一通り見比べてみたが、(もちろん多少の不一致もあるが)90%以上は当たっている印象だ。これは重要な事だ。つまり、育てた事のない品種を求める際にも、かなり信頼していい本だと言える。
この本に書いてある内容は、「あったらいいのに。でも、無いので自分でまとめるしかない。」と考え、ホームページ上に取りまとめていた情報にかなり近い。そして、ボクが知らなかった情報も大量に内包している。圧巻なのは適切に剪定を施され、健全な生育をした株が、秋にはどのような姿に成長しているか示した樹形図だ。これは大変に素晴らしい情報だと思う。この内容にして1700円という良心的な価格設定がまた助かる。こんな素晴らしい本を作ってしまうNHK、流石である。

しかし結局のところ、自分の庭にあるバラの事は自分にしか調べられないとも思う。本当に知りたければ、自分で調べ具体的なデータや事例を蓄積していくしかないのだ。そして、それを根気よく続けることによって、他に替え難い情報源として活躍できる日が来るハズなんだ

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