本文へスキップ

2010.02.08

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses バラと金魚

アパート住まいだったころに比べ、一戸建てに住むようになると、(経済的には厳しいものの)色々な事に挑戦できるようになるし、挑戦したくなる。その最たるものはバラ栽培であり、アパート住まいを続けていたら、バラ栽培に挑戦すると言った事は思いもしなかったであろう。
そしてもう一つ、ボクの中で地味〜に続けられそうな趣味として確固たる地位を築きつつあるのが、意外にも金魚飼育である。小学校時代、生き物が好きだったボクは、カブトムシの幼虫をリンゴ畑から大量に探してきて羽化させて遊んだり、クワガタ、カナブン、ミドリガメ、ナマズ、金魚、メダカ、鯉、ドジョウ、ザリガニ、熱帯魚、ハムスター、アリ地獄、オタマジャクシ、カタツムリ・・・等々、実に多種多様な生き物を飼ってきた。車内に置き忘れたカマキリの卵が大量に孵化してしまった事もある。そして、飼育した生き物は、最後には死んでしまうことになるが、寿命であれば諦めもつく。しかし、ボクのミスや無知が原因だった事が大半で、その度に後悔の念に駆られたものである。その結果、飼育大好き少年は次第に飼育から遠ざかるようになっていった。そして、ふと気がついたら生き物を飼うのをやめてから、20年ほど経ってしまっていた。
しかし、再び金魚など飼おうと思った転機が訪れたのである。それは娘を連れて新潟市の水族館に行った時である。目の前の魚を見て喜んだり怖がったりする姿を目の前にしているうちに、20年間眠っていた気持ちが蘇ってきたのだ。金魚飼育を通して娘に命や死というものを体感させてみようと思ったのだ。はじめに死ありきで飼育するのもどうかと思ったが、ボクは少年時代に飼ってきた生き物たちの死を通して命というものを体感してきたのだ。無駄にはならないであろう。また、アパート住まいと違って、水槽の置き場や水の確保も容易ということも強烈にボクを後押しした。

 

イメージそこで最初に購入したのが、金魚飼育セットと、4匹の流金である。流金とは、金魚と言われれば誰もが思い浮かべるような金魚である。ほどなくして、案の定1匹死なせてしまったが、その後は白点病尾腐れ病を発症しても、適切な治療によって完治させる事が出来ることが分かり、少年時代にあれほど苦労した水替え作業も、今では簡単にできる。知識、情報収集能力、判断力、腕力、そして経済力が少年時代と比べて雲泥の差となっている事は、大きなアドバンテージとなっていたのだ。
コツは、エサを控えめにし、週に一度水を半分替えるだけ。金魚って、こんなに簡単に飼育できたっけ?と思うほどである。手応えをつかんだボクは例の如くエスカレートし、二回りほど大きい水槽を購入し、数も7匹に増えた。今はらんちゅうと呼ばれる金魚がアツい。とはいえ、たかが600〜1500円程度の駄金魚のために、水槽やろ過装置などに何万も投資している自分がアホみたいに思えるが、ボクにとっては癒し系の可愛い奴らである。

前置きが大変長くなってしまったが、金魚について知れば知るほど、バラと金魚には数多くの共通点があることが分かってきて面白い。
第一に、バラと同じく金魚も人間によって創り出されたものである。観賞目的で交配を重ねているため、自然界に生きるフナなどよりも弱く、人の助けなしでは生きていく事が出来ない。つまり、放任では飼えない。これはバラと同じではないか。
そして、数多くの愛好家がその文化を守り続けている事。育種家が新品種を作出したとしても、それだけでは後が続かない。その品種を守っていくのは愛好家である。
そして、しっかり飼育すれば金魚は人に慣れ、応えてくれる。水槽の前を通る度に「エサをくれ〜」などと言いながら、近づいてくる姿は可愛い限りだ。バラも手入れをしっかりやればそれに応えてくれるのと同じだ。
また、世の中が平和であることも必要だ。普段は見過ごされているものであるが、バラも金魚も戦争などの外乱に弱く、戦争などによって絶滅したバラ・金魚は数多い。そして、一度失われてしまった品種を復元するのは極めて困難といえる。

 

イメージ一つだけ、バラと金魚で大きく異なるものがある。グラハム・トーマスは、誰が咲かせてもほとんど同じグラハム・トーマスが咲くが、金魚は一匹たりとも同じ金魚は存在しないことである。
色や模様は当然の事、ひれの形、背中の形、肉りゅうの付き方、そしてその泳ぎ方まで見ると、本当に様々である。
左のらんちゅうはボクが一番気に入っているものだが、体は金色、ひれと唇が。頭は金黒という、何とも縁起の良いらんちゅうである。

黒い手をパタパタさせ、お尻をフリフリさせながら泳ぐ姿はなんとも愛くるしいものである。

<<Back           Return to TOP           Next>>

copyright©2002 shinzou all rights reserved.