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2009.11.23

shinzou's Roses コラム

誘引 コンスタンス・スプライ ピエール・ド・ロンサール

イングリッシュローズファンの中には、デビッドオースチンが1961年に作出した一季咲きのつるバラ「コンスタンス・スプライ」を特別な想い入れと共に育てている方は少なくないと思う。漠然とつるバラを選ぶだけであればコンスタンス・スプライは候補に挙がりにくい。コイツは、「植えてみたい!咲かせてみたい!」と強く思う人のみに選ばれるのだ。かく言うボクも、同じような想いで2株のコンスタンス・スプライを育てている一人である。
コンスタンス・スプライはあらゆる意味において特別な品種なので、「その他のバラ」よりも特別扱いをしてきたバラであるがしかし、ボクが所有するバラの中で、唯一その花を見たことが無いバラでもあるのだ。理由は、コンスタンス・スプライを植えてある場所が近所に無く、もしあったとしても、年に1度しか咲かない一季咲き。お目にかかりたければ自分で育てるしかないのだ。その存在を知ってからずいぶん経ったような気がするが、あと半年だ。あと半年我慢すればイングリッシュローズの歴史を切り開いた銘花をこの手にすることが出来るだろう。ボクはそれをすごくに楽しみにしているんだ。

 

イメージ小春日和となった2009年11月23日、ひと足早くコンスタンス・スプライの誘引を済ませてしまうことにした。誘引を急ぐ理由は、長野の冬は寒すぎるので、真冬になってからではまともな仕事が出来ないからだ。まだ耐えられる外気温のうちに大仕事はやっつけてしまいたい。

ところで、2月に手に入れた貧弱な新苗は見違えるほどに大きく成長し、いまや枝の長さは3m〜4mとなった。この化けっぷりたるや、流石は枝を伸ばす一季咲きである。黒点病耐性が強いようで、殆ど葉が落ちていなかったのだが、誘引の邪魔になるので全部むしりとって作業を開始した。細かいトゲがびっしり枝を覆っているが、枝自体は非常にしなやかで曲げやすい。2株のコンスタンス・スプライの誘引は1時間半程度で終了した。基本的には伸びた枝を大切にし、明らかに開花が望めない貧弱な枝以外は全て使い切った。こうして見てみると、上方の枝はもう少し水平にしたい気がするが、細かい微調整は後日行うことにする。

 

イメージ お次はその隣にある2株のピエール・ド・ロンサールの誘引も行うことにした。ピエール・ド・ロンサールはメイアンが作出した一季咲きのつるバラで、世界バラ連合殿堂入りを果たしている銘花である。もはや知らぬものはいないといっても過言ではない超人気品種だ。見る者を惹きつけてやまないクラシカルな花に加えて、究極に高い耐病性、伸長力もあって非常に使いやすい品種だと感じている。
楽天でとんでもない安さで手に入れた2株のピエール・ド・ロンサールは1シーズン目で驚異的な成長を遂げ、あっという間に図太い枝を3m以上も伸ばすことになった。非常に耐病製が強いので、この時期になっても青々と葉が茂っている。可哀想だが、ボクの都合に合わせて葉は全てむしりとられることになった。ちなみに、剛直な枝であるが、曲げにくいと言うほどではない。バラに逆らわずに曲げるとすんなり収まる。作業自体は1時間程度で完了した。

 

イメージコンスタンス・スプライとピエール・ド・ロンサールの全景。

 

イメージ来春にはコンスタンス・スプライとピエール・ド・ロンサールによって、ご近所様がうらやむ圧倒的な開花を楽しむことが出来るであろう。しかしこの程度で喜んではならないのだ。この状態は本来持っているポテンシャルの1/5以下であろう。この2品種は半つる的なつるバラではなく、正真正銘の一季咲きのつるバラである。一季咲きのつるバラには、それを見るものに訴えかける説得力が伴わなければならない。すなわち、桜のような説得力だ。その域に到達するには、もう少し時間が必要だ。

そんな訳で、1シーズン目の誘引を終えた今、ボクの頭の中では来春の開花を飛び越えて、1年、2年、3年後に更なる成長を遂げ、美しく誘引された冬の姿が映し出されているんだ 。

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