本文へスキップ

2009.11.22

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses バラの誘引 2009

バラの樹形には木立性やつる性などがあるが、イングリッシュローズは「シュラブ」などといわれる場合が多い。しかし、このシュラブとは、どのような性質を持った樹形のことを指しているのか非常に分かりにくい。品種ごとに樹の性質が大きく異なるイングリッシュローズを、シュラブと一括りにされているので、剪定や誘引はどのようにすればよいのかボクの中で明確な基準を持つことができていなかった。しかし、そんなボクの疑問は、先日の村田先生の講演で聞いた一言で晴れることになった。

「イングリッシュローズは、つるバラです。」

もちろん、全部が全部つるという意味でおっしゃったわけではないだろうが、その一言を聞いた瞬間、心の中にあった霧が晴れた気分だ。ボクの所有するイングリッシュローズの中で、クライミングとされていないにもかかわらず、蕾をつけずに2m、3m超級に枝を伸ばすものが少なくない。たとえば、ジュート・ジ・オブスキュア、ヘリテージ、エブリン、ブラザー・カドフィール、コーヴェデイル、ジェントル・ハーマイオニー、アブラハム・ダービー等々である。シュラブと聞くと何となく、こんもりと茂るような「イメージ」があり、そのイメージに当てはめようとすると、伸びた枝は切り落とすことになる。しかし、せっかく背丈以上に伸びたジェントル・ハーマイオニーの枝を半分以上切り落としたとき、シュラブという括りに違和感を感じたのだ。しかしながら枝を伸ばす品種は全部つるバラと割り切ってしまえば、非常に分かりやすい。つるバラなんだから、伸びる枝に頭を悩ませる必要は無い。伸びた枝は冬に誘引するだけでいいのだ。そんな訳でボクの庭には、シュラブからつるに転向したバラが一気に増えることになった。

前置きが少し長くなってしまったが、バラ関連雑誌を見ると冬季の誘引作業は12月、1月が適期などと書かれている場合が多い。これはバラが葉を落とし、完全に休眠に入ってから作業をするためだと思われるが、ハッキリ言って長野の冬は寒い。百歩譲って12月はまだイイとしても、1月2月の寒さたるや半端ではない。屋外で10分と耐えられるものではなく、寒すぎてまともな作業など出来るはずがない。あまりの寒さでいい加減な誘引になるくらいならば、今のうちにやっつけたほうが良い仕事が出来る。というわけで、11月21日(土)に一足早く誘引作業を開始することにした。今週のターゲットは敢えて黒点病を放置して葉を落とさせたティークリッパーが第一候補。次にストロベリー・ヒル、エブリン、フォール・スタッフおよびヘリテージである。

ところで、その場に収まりきらないからと言って、枝を切り落としてしまうのは簡単ではあるが、それは即ちつるバラとしての可能性を奪うことになる。伸びるイングリッシュローズはシュラブではなくてつるバラなんだと決めたのだから、伸びた枝を切ってしまうと信念を曲げることになる。どうあがいてもやり場の無い枝以外は切り落とさないこととした。
また、誘引とは「引」と書くので、枝を引っ張って固定する方が多いが、そうではなくて枝を株元に押し込みつつ更にねじって固定するとよい。これを実践してみると、非常に美しく仕上がる。バラの場合、誘引というよりも「押し込み」と言ったほうが良いかもしれない。この、「押し込み」「切らない」ことに留意すると、何となくつるバラを扱っている自分に酔うことが出来るので試してみてほしい。 

引っ張って誘引した場合。 
別に悪くないのだが、目が肥えてくるとイマイチな誘引である。
押し込んで誘引するとこうなる。
何となくプロっぽく仕上がる。
屈曲が強い部分は刺激となり、良質なサイドシュートの発生も期待できる。

 

イメージティークリッパーはとげが少なく、非常にしなやかな枝なので誘引作業は極めて簡単だった。一発目としては全く問題ない仕上がりになった。去年と比べて枝数が2倍になっており、来春が楽しみである。

 

イメージしかし、次に手をつけたジャジャ馬、ストロベリー・ヒルに大苦戦。凶器のようなトゲは危険なので全部落としてやろうと思ったのが運の尽き。誘引対象となった枝のトゲを落とすのだけで約2時間。トゲ落としの作業中、油断すると容赦なく指にトゲが突き刺さり、激痛が走った。ストロベリー・ヒルは大好きなバラなのでトゲが刺さってもムカつかないが、これがサマーソングだったら頭に来て切り倒してしまったかもしれない。そんな苦労の甲斐あって扱いやすい枝が多数出来上がったのだが、冷静になって全体を見てみると、去年と比べて半端じゃなく枝数が増えている。うれしい悲鳴ではあるがしかし、どうやって誘引すればよいのか途方にくれてしまった。

 

イメージそこで力尽き、ストロベリー・ヒルは後回しにしてエブリンとフォールスタッフをやっつけることにした。去年と比べて大幅に枝数が増えているものの、比較的きれいにフェンスに収めることが出来た。その日は4時間程度の時間を費やしたが、予定していた作業を完了させることは出来ず、結局のところ、ティー・クリッパー、ストロベリー・ヒル、エブリン、フォール・スタッフおよびヘリテージの誘引に2日間を要した。誘引作業は非常に楽しいが、あまりの寒さに体の芯まで冷え切ってしまった。脳まで凍えた気分である。11月でこの寒さだから、1月の誘引作業はやっぱり不可能だ。12月中には残り全部の誘引を終わらせたいと考えている。

ストロベリー・ヒルの枝数は去年の3倍増しである。殆ど枝を切り落とすことなく誘引作業を行った。

<<Back           Return to TOP           Next>>

copyright©2002 shinzou all rights reserved.