本文へスキップ

2009.10.04

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses ジャジャ馬「ストロベリーヒル」

バラ関連雑誌や個人ホームページを見ていると、「手に負えなくなる」などと言った表記を見つけることがある。この表現は当初の予想よりもバラが大きく成長してしまって、巨大化するバラの対応に苦慮している場合に用いられることが多い。そんな記述を見て、「ウチに限ってはそんなことはないだろう。」などと考えていたのだが、手に負えなくなりそうなバラが我が家にもあったのだ。それがデビッド・オースチン・ロージスより2006年に発表された比較的新しい品種、ストロベリー・ヒルである。コイツはバラを始めたころに、名前が気に入ったという、ただそれだけの理由で購入したものである。よって、ストロベリー・ヒルの性質については何も知らなかったのだ。

実際に育ててみると、ストロベリー・ヒルは活力に満ち溢れており、枝を長く伸ばす傾向があるため、あっという間に大きくなる強さを持ち合わせている。たまたまフェンス脇のスペースに植えたのだが、その伸長力としなやかさを目の前にして、枝を伸ばしてつるバラとして育てることにしたのだ。ここまでは良かった。

 

イメージ問題はここからである。この画像はストロベリー・ヒルの主幹枝から発生したサイドシュートを剪定したものであるが、見ての通り非常に鋭いトゲをもっている。我が家のバラの中でコイツは断トツに鋭利なトゲを持ち合わせており、ここまで来るともはや凶器である。ステム(花枝)のトゲはそれほどでもない気がするが、勢いのあるシュートはこのように鋭いトゲで覆われる傾向があるため、剪定や誘因作業をするたびに引っかかれて流血の憂き目にあうのだ。


そしてその伸長力たるや当初の予想をはるかに上回っており、夏季に2・3週間放っておくと、いつの間にか予想だにしない所まで枝が伸びているのだ。バラゾウムシ等の被害が何もなければ1年で軽く4mは枝を伸ばすだろう。そんななので用意したラティスフェンスはあっという間に飽和してしまった。試しに今年伸びたサイドシュートを横に倒してみると、すぐ隣のセントセシリアは当然として、その隣のヘリテージを越え、さらにその先にあるサマーソングをも越える勢いで枝を伸ばしてる。今でさえセント・セシリアの日を奪い気味なのに、それでも飽き足らずヘリテージやサマソンの日光をも奪おうとしているのだ。株がさらに充実する来年はさらなる成長が予想されるが、スペースが不足するのは火を見るよりも明らかだ。

そして、何よりもその鋭いトゲで通行人を傷つけたりしないように配慮する(抑え込む)のが大変なのだ。基本的には道路側に出た枝は切り落とし、どうしても切り落とせない枝に関してはトゲを切り落とすことで対応してる。このように、コイツはボクの手を焼かせているジャジャ馬なんだ。

 

イメージここまで読んでストロベリー・ヒルを植えたいと思う方は少ないかもしれない。しかし、ボクが言いたいことはストロベリー・ヒルの悪口なんかではない。ストロベリー・ヒルは大変素晴らしい品種ってことを伝えたいんだ。

肝心の花についてだが、鋭いトゲをもつ枝からは想像できないような、非常に柔らかで優しい雰囲気を持つ花をつける。花の重みで下を向いて咲く様な事がなく、最も美しい正面を見せながら咲くのもポイントが高い。そして夏場にいきなり貧弱な花になってしまうこともないのだ。

 

イメージ我が家の中では日当たり良好とは言い難い、南西に面した位置でも一切ブラインドすることなく1本の花枝に1〜5個程度の蕾をつけてくれる。そして一番花が咲き乱れるその姿から、筆舌に尽くしがたい達成感を味わうことができる。

この画像は、秋に植えて最初に迎えた春のものだが、たった半年でここまで充実するのだ。今年はさらに成長し、桁違いに枝数が増えているので、来年の春はド級の姿をボクと、そして道行く方々にも見せてくれるだろう。

素晴らしいのは1番花だけではない。返り咲き性も一級だ。3回とか、4回返り咲いたといった言葉を耳にするが、そんなレベルではない。休まず常に咲いている状態。全体的に花数は減少していくものの、途切れることなく次から次へと咲くので、何回返り咲いたか数えられないのだ。今のところ、5月の開花から10月初旬まで花が途切れることは一度もなかった。このように驚異的な連続開花性を達成しているのはもう一つ、レディ・エマ・ハミルトンだけである。

そして、香りについては、デビッドオースチンが特に素晴らしい芳香をもつ品種として紹介しているように、癖になるような強い独特な芳香を放つ。照り葉も美しく、うどん粉病にも強い。

ストロベリー・ヒル。場所が許すのであれば、挑戦していただきたいNo.1品種だ。

<<Back           Return to TOP           Next>>

copyright©2002 shinzou all rights reserved.