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2009.07.04

shinzou's Roses コラム

shinzou's Roses 半八重に夢中

ボクが最初に手に入れたバラは、ウィリアム・シェイクスピア2000。「バラ=高芯剣弁咲き」だと思い込んでいたころに見たウィリアム・シェイクスピア2000の花形、そして香りにカルチャーショックを受けた。それからというもの、狂ったようにバラを蒐集(しゅうしゅう)し始めたが、その対象となったのは例外なく豪華な花形と強香をもつバラであった。エブリン、プリンセスアレキサンドラオブケント、フォールスタッフ、ジュートジオブスキュア等々がその一例である。暫くして、バラの剪定講習に参加してハイブリットティとの付き合い方を学び、ハイブリットティも数品種育てるようになるなど、少しづつ守備範囲が広がっていったが、半八重の品種だけは見向きもしていなかった。

バラの花期は短いために、その実物を見れる機会は非常に限られている。なので、ボクが何かを手に入れようと思った際の情報源は、もっぱらカタログや雑誌の写真、そしてその寸評である。豪華な花容を持つ品種は写真にしても押しが強く、さらに強香種が多いから購入候補に挙がる場合が多い。それに対して半八重咲きのバラは、カタログの中では小さい写真の場合が多く、なにより中途半端な存在にみえる。さらには弱香〜中香の品種が多い事も候補外となってしまう理由の一つであった。何故デビッド・オースチン・ロージスは香りにこだわると言っておきながら、香りの少ない(場合が多い)半八重の品種をリリースしているのか全く分からなかった程である。

結局、気が付くとボクの庭は豪華なバラのオンパレード状態になった。元々豪華系の品種が好きなので、それはそれで素晴らしいと思うのだが、妻からは「全部同じに見える。毎回ステーキみたいだ。たまにはアッサリしたのがあってもいい。」などと言われるようになってしまった。日々研究を怠らないボクには、花と香りだけで所有する50品種をすべて言い当てられる程の違いがあるのだが、よく知らない妻が見ると全部同じようなバラに見えるらしい。何はともあれ、この会話はそこで終わりになって、それ以上発展することなく引き続き豪華なバラだけに注目する日々が続いた。

そして2009年。冬が終わり春がきて、待ちに待った一本木公園バラ祭りが始まった。祭りの期間はすなわち、膨大な品種を実際に見る事が出来る貴重な期間である。カタログ写真と実際の花は違う場合が多いという意味で、実物の花を見るのは非常に有意義である。そして、数多にある品種の中で最も美しいと感じたのは、豪華なロゼット咲きやカップ咲きの品種ではなく、意外にも半八重の「コーデリア」だったのだ。カタログや写真で見ると、目にも止まらないようなコーデリアだが、実際の花はたいへん美しい。その瞬間、以前妻と交わした会話を思い出し、「うーん。確かにシンプル系は美しい。」などと妙に納得してしまった。

一本木公園バラ祭りは、膨大な種類のバラ苗が一同に会する、これまた貴重な機会であるが、残念ながらコーデリアを見つける事が出来なかった。その代わりに見つけたのが「スキャボロ・フェア」「コーヴェデイル」である。両方とも半八重が美しい品種で、直感の働いた衝動買いである。更に次週には「コンテ・ド・シャンパーニュ」を入手した。これら3品種を咲かせてみて確信したが、ゴージャス系のバラには無い、清楚でシンプルな美しさが確実に宿っている。これらは万人に受け入れられる人気品種ではないかもしれないが、ボクの中ではこの半八重3品種に相当な期待を寄せているんだ。

スキャボロ・フェア

イメージ輪の雰囲気をたたえた花を持つ、真の四季咲き品種。
シーズン開始から終わりまで花が絶えることはない

コーヴェデイル

イメージイングリッシュローズ1番の愛らしさを持つコーヴェデイル。
ハート形の花びらが特にかわいらしい。

コンテ・ド・シャンパーニュ

イメージ ところで、イングリッシュローズ図鑑を紐解いてみると、「最も美しいイングリッシュローズ」とされているバラがある。それが1994年に作出された「ウインドフラワー」だ。「イングリッシュローズはどれも美しい花容を持っているが、ウインド・フラワーはその中でもっとも美しい品種なのか。

イングリッシュローズ図鑑を読み返すうちに、どうしてもウィンドフラワーを手に入れたくなってしまった。しかし、広く知られた品種ではないためか、近所の園芸店はもちろん、ネット上ですら販売実績を全く見つける事が出来ない。こんな事は初めてだ。そして、手に入れるのが難しいと分かると、ますます手に入れたくなるのが人の性。

ウインド・フラワーが最後の1ピース。そんな気分でウインドフラワーを探しているのだ。

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