絞り値の使用頻度考察
AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF

先日からお伝えしている各レンズにおける絞り値の使用傾向だが、今回はボクにとって最も愛着思い入れのあるレンズ、「8514D」にご登場願いたい。

8514Dを手に入れたのは2006年の事だったのでもう10年の付き合いとなるが、これほどまでに同じものを使い続けられている工業製品は今のところこの8514Dと、あともう一つは気が付いたら14年も使い続けている腕時計位なもので、他にはない。もちろん現行型として8514Gという素晴らしいレンズがニコンからラインアップされているが、ボクにとって85mmレンズとは「このモデルじゃなきゃダメ」を通り越し、ボクが所有する「この個体」じゃなきゃダメというレベルですらあるのだ。

そういった意味でいえば「2414G」も「3514G」も「5814G」も苦労して手に入れた素晴らしいレンズであるため、たとえ将来的に新型が出たとしても買い替えることは多分なく、一生モノとはおこがましいかもしれないが、かなりの長期間に渡って使い続けられるレンズとなるだろう。そう考えるとF1.4Gシリーズのコスパは悪くないのだ。


珠玉のポートレートレンズ「 8514D」

2015年 AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF 絞り値実績

そしてこれが2015年において実際に8514Dで使用した絞り値を集計した結果だが、その傾向たるや超激烈な偏りがある事が分かる。ほぼ全てのカットはF2.8、F3.2、F3.5、F4集中しており、全体の約90%を占めている。その中でもF3.2とF3.5だけで全体の62%を占めており、F1.6〜2.5はたった3枚!しかないという、自分でも驚きの結果となった。

その他の絞り値、例えばF5.6は「ハイチーズ」の集合写真として3枚あるだけ、F14やF16は遊びの流し撮りで3枚あるだけなど、とにかく8514Dを用いるときはF3.2とF3.5を多用しまくっているのが実際のデータとして見える可されることになった。


AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
絞り開放F1.4
機種 D4 ボクがこのレンズで絞り開放で撮影しているのはどういう時か抽出してみると、主たる被写体は人物だ。とうか、このレンズで人物以外の被写体を撮影することはないと断言できる。

85mmでF1.4という圧倒的なボケ味を得たいときにF1.4を用いるが、そのピントの薄さたるや、金閣寺に貼られた金箔の如く薄さであり、思い付きでテキトーにパシッと切って決まるものでは決してない。また、ピントを合わせた瞳以外は全てボッケボケェとなるため、実際問題として85mmでF1.4を用いるのは「やりすぎ」の領域であり、遊びでしか使っていない。

本作例ではスポットライトが当たる暗闇で、F1.4を用いて使ったカット。三脚を使用しているものの、この暗闇でISO250・1/10sに到達しているのは流石。しかしながら、このカミソリピントをこの暗闇の中で手持ちで合わせるのは不可能な所業であるため、三脚を用いてLVモードの拡大鏡までをも使ってピントを合わせている。「そこまでやらなきゃダメなの?」と思われるかもしれないが、F1.4で撮るとはそういう事なのだ。
レンズ AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.4
露光時間 1/10s
ISO感度 ISO250
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 85mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
三脚 三脚


AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
絞り値F3.2
機種 D3 このレンズで絞りF3.2で撮影しているのはどういう時か抽出してみると、100%人物のポートレートである。もう、8514Dをカメラを装着したら反射的にF3.2かF3.5に設定しているほどである。

この作例はD3と8514Dを用いて撮ったカットであり、8514Dの神写りを魅せたうちの一枚。8514Dは半逆光下だったり、光が回り込むようなシチュエーションで時に神写りするレンズであり、ボクが所有するその他のレンズでこの描写を得ることは今のところ出来ていない。

この、神々しいまでの写りは何だろう。

ひょっとしたら現代の設計思想では到達しえないものであり、これはまさに「銘玉」と呼ぶにふさわしいものだ。
レンズ AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
露出モード 絞り優先オート
絞り F3.2
露光時間 1/80s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 85mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
三脚 手持ち


AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
絞り値F3.5
機種 D4 このレンズで絞りF3.5で撮影しているのはどういう時か抽出してみると、100%人物のポートレートである。

この作例はこちらを振り向いた瞬間を切り撮ったものであるが、8514Dの描写力は当然として、D4は決してその瞬間を逃したりなんかしない。一瞬だけ魅せる表情を切り撮れる性能もまた、8514Dの魅力ををフルに楽しむために必須の性能なのだ。
レンズ AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
露出モード 絞り優先オート
絞り F3.5
露光時間 1/1250s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 85mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
三脚 手持ち


以上が8514Dにおける各絞り値の使用頻度と、各絞り値における被写体の傾向であるが、8514Dは100%ポートレートにしか使っておらず、しかもそのF値はF2.8〜F4だけで90%を占めるほどである。特にF3.2F3.5がボクにとってのお気に入りであり、もはや全自動的にこの絞り値を選択している自分がいる。8514Dで新たな境地を切り開くためには、F8やF11もトライしてみなければならないという事もわかるし、逆に言えばこれほど使い倒している8514Dでもまだ開拓の余地があるっていう事なのだ。

以上、数日にわたって2414G、3514G、5814G、8514Dのそれぞれの絞り値の傾向を調査してみたが、同じF1.4レンズであるがそれぞれのレンズでそれぞれ絞り値・使用傾向が全く異なっており、これら4本は完全に独立して使用されている。そしてそれぞれのレンズにはまだ使われていない未開の領域があり、これら4本の未開の領域と撮影シーンまで考えて行くと、もう果てしないほどの選択肢と可能性がある事に気付かされる。

自分が築き上げた「枠」にとらわれることなく、今までは違った使い方をしてみると何か新しい驚きの発見があるに違いない。


14-24mm f/2.8G ED絞り値


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