AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」は発売開始されてからたった一か月で入手したレンズである。「AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G」と比較して、品名の違いは「0」か「8」の一字違いにしか過ぎないのにもかかわらず、希望小売価格は実に14万円の差があるのだが、「こんなのを待ってました!!」とばかりに一瞬で飛びついてしまった。当時、流通量が非常に少ないレンズだったが、シンガポールで意地になって探し出し、その場で即決購入したものである。

発売直後に購入したので、5814Gとの付き合いは他の5814Gオーナー様より長いことになるのだが、あらゆるシチュエーションで5814Gと行動を共にした結果、ボクなりに導き出した答えは、「5814Gはニコンが放った次世代標準レンズだった」という事である。

「次世代標準レンズ」
ボクの中で標準レンズとは50mm程度のレンズだが、5814Gは58mmという扱いやすい焦点距離を持ち合わせ、意図的に収差を残しつつ、後述する「絶品ボケ」「超・夜景性能」そして「質感描写力」を持ち合わせており、使う程に分かる圧倒的な魅力を持ったレンズに仕上がっている。唯一思ったより寄れない事があるが、このレンズの魅力を減ずるほどものではないだろう。

本レンズを語るうえで外せないのが夜景性能だが、5814Gは3514Gと並びノクトの思想を受け継ぐとされるレンズである。同一条件で「5814G」と「その他の単焦点レンズ」を一段ずつ開放から最小絞りまで撮り比べると、歴然とした差に愕然とする事になるだろう。現時点で5814Gおよび3514Gの夜景性能は素晴らしいものがあり、少しでもシャッター速度を稼ぎたい手持ちなどでは開放から使えるという事に一つの意義がある。
さらに上の描写を求めると、勿論三脚を用いた撮影になるのだが、ただでさえ開放から使える夜景性能を持っているうえに、F2、F2.2、F2.5と絞るうちに超絶な夜景性能を発揮。全域にわたって点光源の点が点・点・点・点となる。
また、このレンズが持つ面白い特性は、近接撮影ではゆるゆるの描写なのに、少し離れた遠景では僅かに絞るだけでカリッカリの高解像力を発揮する事である。経験上、F2.8〜F4まで絞ればピントを合わせた建築物がカリッカリに解像する。近接撮影時と遠景撮影時のギャップは大変面白く、このレンズを使いこなす上での深みを与えている。3514Gも同様のことがいえるが、もしこのレンズの夜景描写で満足できないとするならば、現時点で夜景を撮るのはもう諦めた方が良いレベルと断言していいだろう。

夜景だけでなく、このレンズは銘玉「85mmf/1.4D」に匹敵する美しいボケを持ち合わせており、ポートレート用途としても非常に秀逸なレンズとなっていることも外せない要素だ。ポートレートにおいてはボクは、ピントを合わせた瞳から頬・耳・後ろ髪・背景に向かってとろけるようにボケる、そのボケ味を重要視しているのだが、5814Gはその他のナノクリF1.4Gシリーズと同じく非常に美しいボケを愉しませてくれるレンズに仕上がっている。58mmという扱いやすい標準的な焦点距離と相まって、小さなお子様、美しい恋人や奥様がいらっしゃる方々に非常に強くお勧め出来るレンズだ。
もちろん、イルミネーションや木漏れ日を背景として人物を撮影すると非常に美しい玉ボケも楽しめる。F2〜F4程度が玉ボケスイートスポットと感じるが、個人的には開放F1.4で現れるレモンボケも捨てがたいと思っている。

総じてまとめると、5814Gはニコンが「次世代の標準レンズ」としての高みを目指した結果生まれたレンズなんだと強く感じさせてくれ、非常に魅力的なレンズとなっている。折角ニコンボディをお使いになられているのであれば、5814Gを是非手に取って頂きたいと思うんだ。


機種 D4 シンガポール 「マリーナ・ベイ - Marina Bay -」

シンガポールの朝焼けを5814Gで切り撮った。空にこの色が出るのはほんの数分だが、その1時間も前から待機して撮影する。

5814Gを用いた作品の中で、自信作となったものの一つであり、長期間にわたってボクのデスクトップの壁紙として君臨し続けた作品でもある。

「百聞は一見に如かず。」5814Gのパワーを色々語るよりも、この原寸画像を隅々までご確認いただければ、これは普通のレンズじゃないってことが分かって頂けると思う。
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F5.6
露光時間 2.5s
ISO感度 ISO200
露出補正 -0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード LVモード MFフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 三脚/ミラーアップ/レリーズケーブル


機種 D4 「Grand Nikko Bali」

火炎吐息をF1.8で写し撮った。

D4と5814Gでなければ、この写真は撮れなかった。

コイツは、「神写りする」希有なレンズだ。
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.8
露光時間 1/3200s
ISO感度 ISO400
露出補正 -0.30
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち


機種 D4 「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」

絞り F11

朝のブルーモーメントがほぼ終わりに近づいた時に幻想的な瞬間を切り撮った。日本では体験できない、神秘的な情景がここにある。そしてそれを切り撮るレンズはニッコールの新型標準レンズ、「5814G」。このレンズを手にしてから、ボクの写真は変わったと、自分でも思う。
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F11
露光時間 8s
ISO感度 ISO200
露出補正 +0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ


機種 D4 「マルタ CORINTHIA HOTEL」

マルタの夜明けを超絶絶品次世代標準レンズ「5814G」を用いて切り撮った。向かって左側から太陽の光が差し込み始めたその瞬間にしか見せない表情をしっとりと写し込むその質感描写力F1.4Gシリーズ共通の魅力だ。

加えてF4程度ですでに鬼のような解像力を発揮する5814Gの遠景描写力があれば、この条件では「F4・6秒+6秒ノイズリダクション=計12秒」で済むのも実用上の大きな利点となる。例えば、F8まで絞り込まなければ満足な描写が得られないレンズだと仮定すると「F8・24秒+ノイズリダクション24秒=計48秒」となってしまい、秒単位で空の明るさが変わってしまう夜明け撮影では致命的な「差」となる。
レンズ AF-S Nikkor 58mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F4
露光時間 6s
ISO感度 ISO200
露出補正 -0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
三脚 手持ち


機種 D4 「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」

絞り F2.5

ニコンが送り出した次世代標準レンズ「5814G」で撮った、極めて標準的な50mmレンズの使い方。ただ目の前にあるものを標準的に撮っただけなんだけれども、しかし奥に連続する自然な奥行き感・ボケ感はその他の駄レンズでは到達できないであろう領域であり、価値がある

もしニコンボディをお使いになられているのであれば、一つ騙されたと思ってこの5814Gを手に取り、標準的に何かを撮ってみて頂きたい。「ニコンが目指した次なる地点とはこういう事だったんだ。」と、驚かされることだろう。

そしてそれはナノクリF1.4G沼の、始まりとなるんだ。
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.5
露光時間 1/60s
ISO感度 ISO560 (自動制御 通常)
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち


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