AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
サジタルコマフレアの検証

ボクが「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」を購入した目的は、子供たちのポートレート写真を撮るためであるが、夜景だってバンバン撮る。毎回思うのだが、素晴らしい夜景を目の前にすると時間を忘れて2時間でも3時間でも撮り続けてしまう。

所で、「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」に一見よく似たレンズに、「AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G」というものがある。品名でいえば、0と8の一文字の違いでしかない。しかし、たったそれだけしか品名が違わないのに、メーカー希望小売価格としては6万円と20万円と、3倍以上の価格差がある。この価格差は一体どこから来るのか?

その答えは、
このインタビューhttp://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview/20131108_621449.htmlや、http://www.nikon-image.com/products/lens/af/fx/singlefocal/af-s_58mmf14g.htmにも語られているように、サジタルコマフレアという聞きなれないフレアを開放から抑制するよう、特別に設計されたレンズだからという事だ。

ボク個人としては、サジタルコマフレアなんて今まで聞いたこともないし、数々の夜景を撮影してきたが、基本的に夜景は絞って撮影しているので、それが気になったこともない。しかし、このレンズを使うことによって「サジタルコマフレアとは何ぞや?」ということを理解し、このレンズを使いこなそうと努力することは、少なくとも単に綺麗を夜景を撮影することから卒業して、もう一段上の写真を目指す事になるのではないかと思う。

という訳で、シンガポールのマリーナベイサンズ展望台からの100万ドルの夜景を開放から1段ずつ絞ったサンプルを以下に掲載したいと思う。このレンズは2013年12月現在において入手困難となっており、ネット上に落ちている実サンプルも極めて少ない。もっと云えば、「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」で撮影したD4の原版ファイルを1段ずつ絞ったサンプルをすべて載せているところも少ないと思うので、このレンズの購入を考えている方に、少しは参考になればと思う。

機種 D4 シンガポール
マリーナベイサンズ展望台からの夜景。

信じ難い事だが、これは、開放で撮影したものだ。

以下に載せるサンプルは、全く同じ構図で開放から1段ずつ絞って行ったものである。それぞれの違いは微妙な差であるため、原版ファイル(14MB)という巨大ファイルを参照できるようにした。
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
絞り F1.4
露光時間 1/2s
ISO感度 ISO200
露出補正 +1.0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード ライブビュー/マニュアル
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚。レリーズケーブル。ミラーアップ。

左上端 中央上部 右上端 光芒 備考
F1.4 絞り開放F1.4

ニコンのコメントの通り、周辺部に確認されるような、サジタルコマフレアと呼ばれるフレアはおにぎりの形で留められている。
これこそが、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gの開発意義のうちのひとつであり、これってすごい事らしい。
解像感は流石に厳しいものがある。

原版ファイルはこちら(14MB)
F2 1段絞ったF2

殆どの点は、点として写っている。一部周辺部ではおにぎりの形がまだ残っているが、そのサイズは小さくなっている。

解像感がグッと増していることが分かる。

原版ファイルはこちら(14MB)
F2.8 2段絞ったF2.8

たったの2段絞っただけで、殆ど全ての点が、点となった。

さらに解像感が増す。実用上はここからがスィートスポットだと感じる。

原版ファイルはこちら(14MB)
F4 3段絞ったF4

F2.8で殆ど全ての点が点として写っているので、点としての変化はほとんどない。

F4にするとさらに解像感が増す。

原版ファイルはこちら(14MB)
F5.6 4段絞ったF5.6

点については点として写っているので変化なし。

光芒が育ち始めた。F4,F5.6,F8くらいで解像感マックスという感じがする。

原版ファイルはこちら(14MB)
F8 5段絞ったF8

光芒の形が整い、ボク好みの光芒が出現した。

原版ファイルはこちら(14MB)
F11 6段絞ったF11

光芒の形はF8と大差ない。という事は、シャッター速度との兼ね合いもあるので、F8以上に絞る意味はあまりなさそうな感じがする。

原版ファイルはこちら(14MB)
F16 最小絞りF16

回析現象によって、画質が僅かに落ちているのが確認できる。F16で撮影する意味はあまり無いだろう。

原版ファイルはこちら(14MB)

夜景と言っても千差万別だし、撮影者の意図が反映されるべきなので、一概にどの条件が良いと結論付けることは不可能なのだが、この被写体に関して言えば、「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」のスィートスポットはF2.8〜F5.6と言えるだろう。

F2.8まで絞れば、完璧に点を点として写すことが可能になり、解像感がグッと増してカリカリになり、シャッター速度がまだ速いのでブレにも強いだろう。

F4ではさらに完璧に点が点となり、さらに解像感が増す。

F5.6まで絞ると光芒が出現するが、光芒は撮影者の好みと意図が反映される要素でもある。

一つだけ確定的に言えることは、このレンズはただ者じゃない。夜景スペシャルの鬼レンズだ。58mmという中途半端な画角に20万も投資するのは単なるモノ好きとしか云い様が無いのだが、このレンズの価値を理解できる方は、買って損はないと断言できる。

興味のある方はこちらの記事も参照されたい。
「AiAF Nikkor 50mm f/1.4DとAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gガチ勝負」


機種 D4 シンガポール
マリーナベイサンズ展望台からの夜景。絞りはスィートスポットのF2.8。その写りは一般的な駄レンズでは到達できないレベル。

「うおぉお!スゲー!なんじゃこりゃー!?」

やっぱり「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」は鬼レンズだ!

原版ファイルはこちら(14MB)
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
絞り F2.8
露光時間 0.62s
ISO感度 ISO200
露出補正 +1.0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード ライブビュー/マニュアル
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚。レリーズケーブル。ミラーアップ。

AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gのマラッカスナップ-1-


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