AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
夜景全絞り撮影

先にあげた作例の通り、友人が所有する「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」こと「5018G」で夜景撮影をする機会に恵まれたのだが、ボクの場合は初めて扱うレンズは必ず開放から一段づつ全絞り撮影してそのレンズが絞り値によってどのような変化を見せてくれるのか見るようにしている。特に、単焦点の大口径50mmクラスのレンズは絞り値によって大きく性格を変えるレンズが多いという印象を持っており、しかもニコンがいま最も力を入れている大口径単焦点F1.8シリーズ・・・、すなわち2018G, 2418G, 2818G, 3518G, 5018G, 8518Gの中で鉄板の50mmとあればテストにも力が入るというものだ。

先に初めて扱うと書いたが、正確に言うと5018Gは以前ニコンセンターにて試写させて頂いた事があるのだが、その個体はボクの愛機D4との相性が悪かったのか強烈な後ピン玉で全くピント合わせができず、まともにテストできていなかったのだ。しかし、今回扱った友人所有の5018Gは購入したばかりのほぼ新品の玉であり、不具合など皆無。非常にありがたい気持ちでお借りさせて頂いた。

直前まで14-24mmF2.8Gや70-200mmF2.8Gといった重量級のレンズを装着していたため、5018Gを手に取ると拍子抜けするほどに軽く、小さい。D4に装着するとまるでレンズの重さは感じさせず、究極的に取り回しが良い。それもそのはずその重量はたったの185gであり、14-24mmF2.8Gの1/5にも満たない。フードを付けたその姿は小さくともしっかりと単焦点の風格を漂わせており、好印象だ。

その価格も希望小売価格が29,160円(2015年現在)とバーゲンプライス。今現在、50mm単焦点レンズを持ち合わせていないが、久しぶりに50mmの扱いやすさや据わりの良さを味わってみて、「この価格であれば買っちゃおうかな・・・。」と思わせるには十分なレンズであった。

以下に5018Gの全絞り撮影結果を載せているので、興味のある方はご参照頂き、5018G購入への動機づけとして頂ければと思うんだ。写真を始めたばかりの方にはもちろんのこと、ズームレンズ崇拝者の方にも単焦点レンズへの入り口としてお勧めできるレンズだと思う。


機種 D4 「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」

絞り開放 F1.8

これが5018Gの絞り開放の描写。たとえF1.4Gシリーズを用いたとしても三脚を用いたマジ撮りで開放を用いることはないのだが、開放で撮影するのはある種の「儀式」であることに異論を挟む方はここでは少ないと思われる。

時計塔の文字盤にLVモードを用いた拡大鏡マニュアルフォーカスで厳密にピントを合わせている。2414G、3514Gまたは5814GのマジキチF1.4Gシリーズと比べると周辺の描写がゆるゆるだが、50mm単焦点の開放らしい、懐かしさを覚えるような描写をしてくれるレンズだ。しかしながら以前使用していた5014Dと比して格段に画質が向上しており、隔世の感がある。
レンズ AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.8
露光時間 1/13s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 50mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ


絞り値 中央部 右端部 備考
F1.8 開放F1.8ではさすがに画像端部が大きく流れている。

しかしながらピントを合わせた時計塔は思いのほかしっかり解像しており、正直言って少しびっくりしてしまった。
F2 絞り値のキリ番に合わせるため、1/3段だけ絞ったF2とする。

普段F1.4やF2.8から始まるレンズを用いているため、開放からコマンドダイヤルを3回コリコリ言わせれば絞りのキリ番と体が覚えてしまっているため、F1.8始まりだと少し違和感を感じる。

たった1/3段絞っただけでは描写に大きな変化は見当たらない。
F2.8 そこからさらに一段絞ったF2.8になると、大きく描写を変えて周辺まで解像するようになってきた。

さすがに解像度番長大三元シリーズのF2.8開放には追い付けていないだろうが、バーゲンプライスということを考えればかなり写っていると考えてもよいだろう。
F4 さらに一段絞ると、さらに解像力が上がってくる。この描写の変化は大口径50mm単焦点らしいもので、扱っていて楽しいレンズだ。
F5.6 さらに一段絞ったF5.6。

F5.6でも解像力がサチることなくF4と比べても明らかにF5.6のほうがよく解像しているのがわかるだろう。
F8 さらに絞ったF8。

F5.6との違いがよく分からなくなったが、たぶんF8のほうが解像しているように見えなくもない。

F8前後が解像度マックス仕様なんだろうと思う。
F11 さらに絞ったF11。

ここまでくると描写がサチっており、F8との差は認められないというか、長時間露光などによる弊害のほうが大きくなってくるだろう。

意図的に絞り込む以外ではF8前後が夜景スィートスポットと感じる。


機種 D4 「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」

絞り F8

今回使ってみて、たぶん5018Gの夜景スィートスポットであろうと感じたF8の描写。もちろん、3514Gや5814Gのようなマジキチレンズと比べると一歩譲ることもあるかと思うが、普通の感覚で鑑賞すれば素晴らしい写りをしており、おそらく暗い高倍率ズームではなし得ない地点に到達している。
絞り込んだときに発生する光芒がタワーに発生しているが、円形絞りにもかかわらず比較的ボク好みの光芒を作り出しているのもポイントが高い。

このように、絞り値によって劇的に描写を変えてくれるのは50mm大口径単焦点レンズの楽しさであり、レンズの泥沼に墜ちる絶好のキッカケとなってくれるであろう。
レンズ AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
露出モード 絞り優先オート
絞り F8
露光時間 1.6s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 50mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ


ボクが写真を始めた時、はじめて手にしたレンズが50mmF1.4Dだったが、この5018Gはまさにその50mmの焦点距離を持った単焦点レンズ。ボクはあの時、50mm単焦点から入ったからこそ今も写真を続けられていると思っている。つまり、逆を言えばもし早々に高性能な大三元F2.8ズームレンズに落ち着いてしまっていたら、そのうち飽きてもう写真はやめてしまっていたかもしれない。それほどまでに、ボクは50mm単焦点レンズに思い入れがあるのだ。

しかも、忘れてはならないのはこのレンズは小さく軽く取り回しが非常によく、しかもNikkor純正レンズにして希望小売価格が3万円以下というバーゲンプライスのついたレンズ。写真を始めたばかりでズームレンズにしか眼中にないのであれば、それは非常にもったいない見落としをしていると感じる。まずはズームレンズの購入は見送り、だまされたと思って5018Gを手に取ってみよう。上記に挙げたような絞り値による描写の変化は当然として、絞りと立ち位置によってドラマチックに変化するボケ量、そして自分の足で前後左右に動くことの大切さを、このレンズはきっと教えてくれるはずだ。


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