AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR
試写

先日からお伝えしている、以前から気になっているレンズ試写記第10弾、最後を飾るのは「ヨンニッパ」だ。「ヨンニッパ」はニコンがラインナップしている望遠四天王「ヨンニッパ」「ゴーヨン」「ロクヨン」「ハチゴロー」のうち、焦点距離400mmを担う一本である。200万円オーバーの「ハチゴロー」は別格中の別格の存在ではあるが、「ヨンニッパ」も希望小売価格が138万円と、これも並大抵のレンズではない。値段的には「ゴーヨン」の117万円を上回っており、これはクルマの車両本体価格に匹敵する金額だ。
実用上も、x2倍のテレコンバーターを使用すれば名目上「AF-S NIKKOR 800mm f/5.6G ED VR」の「ハチゴロー」にもなってしまえる究極の一本だ。

これは明らかにプロ用のレンズだ。例えば2014年2月現在、ロシアにて開催されている「ソチ・オリンピック」でもアスリートの絶技がこのヨンニッパで撮影されている事だろう。超絶な描写力は当然として、オリンピックのような過酷な環境下で使用される本レンズは、防塵・防滴・絶対的な信頼性を兼ね備えていなくてはならない。そしてこの「ヨンニッパ」はそれら要求される全てを兼ね備えていると容易に想像がつく。

百歩譲って「サンニッパ」までは手にするかも知れないし、実際ボクも20年前に発表された旧型サンニッパを中古で購入し、使っている。でも「ヨンニッパ」は流石にない。予算的に手が届かないのは当然であるが、神々しすぎて検討の遡上にも上がらないのだ。このようなド級レンズを万が一購入できたとしても、ボクには「鳥」など明確な目標が有るわけではないので、持て余してしまうだろう。それでもクルマ好きの方が、所有できなくてもGT-Rを運転してみたいと思うのと同じように、ボクだってヨンニッパを使ってみたい。ヨンニッパで撮ってみたい。以下の写真はその夢が叶った瞬間のものである。

なお、ヨンニッパがヨンニッパである理由は、紛れもなくF値2.8と言う事だ。これを絞って撮影するなどしたら、ヨンニッパ様に大変失礼だと考え、全て開放で撮影し、たったの1/3段たりとも絞ることはしなかった。

また繰り返しになるが、「ニーニー」や「サンニッパ」と同様、試写レンズは屋外を撮影するように大型の台座にガッチリと固定されている。ボク的には屋外を撮っても何も面白くないので、無理矢理この大砲を180度回転させて店内に向けて試写した関係上、背景づくりには大きな制約が有った事をご了承願いたい。



機種 D4 「AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR」

絞り開放

「す、すげえぇぇえ!」
「なんだこりゃ。」
「別格?」

たとえ開放でも、100枚撮ったら全部瞳にドンピンするんじゃないかと思う程のAF精度。ピント面の解像力。絶対的なボケ。

それもそのはず、これは「ヨンニッパ」様なのだから、当り前である。
レンズ AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/250s
ISO感度 ISO800 (感度自動制御)
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 400mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 大型台座使用

機種 D4 「AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR」

絞り開放

ニコンのロゴの前に立たせて撮影した。開放でも周辺光量落ちなんて全くない。そもそも、周辺光量落ち云々なんてことを検証する所業自体がヨンニッパ様に対して失礼である。
レンズ AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/320s
ISO感度 ISO800 (感度自動制御)
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 400mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 大型台座使用

機種 D4 「AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR」

絞り開放

なんだかもう凄すぎちゃって、コメントのしようが無いのだが、強いて言うならばあまりにも大砲過ぎて、これは手持ちで振り回せるような代物ではない。手持ちはサンニッパが限界。

被写体ブレを除けば、殆ど全カットドンピン。
レンズ AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/250s
ISO感度 ISO800 (感度自動制御)
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 400mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 大型台座使用

機種 D4 「AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR」

絞り開放

ため息もの。

なんだかもう・・・、とにかく凄いレンズだ。

もしこのヨンニッパを試写する機会があれば、是非その圧倒的パワーを味わって頂きたい。これは、凄い。
レンズ AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/100s
ISO感度 ISO400 (感度自動制御)
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 400mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 大型台座使用

以上を以て、連日続いた「以前から気になっていたレンズ試写記」を一旦終了させて頂く。金額的な事を云うのはナンセンスと思われるかもしれないが、希望小売価格としての総額は以下のように400万円オーバーという、とんでもない金額となってしまった。

モデル 金額(円)
AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED 285,600
AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G 93,450
AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G 241,500
AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED 87,150
AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G 225,750
AiAF DC-Nikkor 135mm f/2D 170,100
AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II 861,000
AF-S VR Nikkor 300mm f/2.8G IF-ED 714,000
AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR 1,386,000
合計 4,064,550

でも・・・まあ趣味として考えたとき、実用上150万円で済むクルマに、例えばスポーツカーや外車に投資している人がいることを考えれば、ありえない金額ではないのかもしれない。所有する事自体には税金かからないし・・・。

ちなみに、試写レンズの中にはもちろん「ズームレンズ」も何本もあったが、単焦点だけの試写となった。ボクにとっての写真は、やはり単焦点で撮ることが基本中の基本。そして、今回は何本もの単焦点で撮影する機会に恵まれたが、どれ一つとして同じようなレンズは無かった。どれも個性の塊で、魅力に溢れるものばかりで、とても面白かった。

「2414G」の広角ボケ味にも衝撃を受けたし、「2818G」の高性能ぶりにも正直驚かされた。「6028G」は爆速AFとカリッカリの解像力。「8514G」は開放でのピント精度に驚き、結果的に所有する「8514D」の後ピンにも気がつけた。「1352D」のボケコントロール機能は正直「何だこりゃ?」と思ったほど個性の塊。「ニーニー」の重量感、解像力は一度味わってみたかったし、「サンニッパ」「ヨンニッパ」は噂にたがわぬ・・・否、噂以上にマジでド級の最高峰レンズだった。

しばらくたった後でも、これらレンズを使った時の感動はしっかりと思い出せる。これこそが、単焦点の魅力であり、ボクはその魅力にどっぷりと浸かってしまっている。

だから写真はやめられないんだ。

AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR 試写

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