AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
サジタルコマフレアの検証

話を始める前に、まずは「AiAF Nikkor 35mm f/2D」による絞り開放で撮影した作例を挙げさせて頂きたい。これは中心のビルに完全にピントを合わせて撮影したものであるが、画像周囲の光点に羽を広げたようなフレア「サジタルコマフレア」が発生しているのが分かる。

本稿ではこの「サジタルコマフレア」に関して「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」の実力を検証したものである。

機種 D4 「AiAF Nikkor 35mm f/2D」

絞り 開放 F2.0

画像をクリックすると原版ファイルが開くようになっているが、盛大にサジタルコマフレアが発生しているのが分かる。それ以前に、ピントが合っていないようにすら見えてしまうが、これは「5014D」でも見られる現象であり、「AiAF Nikkor 35mm f/2D」だけに限った話ではない。これを抑制するために生まれたレンズが「Noct Nikkor」「5814G」である。
レンズ AiAF Nikkor 35mm f/2D
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.0
露光時間 1/3s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 ポータブル三脚・レリーズケーブル

ここでニコンのホームページで「3514G」紹介ページに掲載されている作例を見ると、次のような一文を見つける事が出来る。「コマ収差が小さく、画面全域にわたって、照明の一つひとつを美しい点光源として自然に描写しています。夜景や星の撮影に高く評価されたNoct-Nikkorの思想を受け継ぐ描写力が、存分に発揮されています」。

ボクはこれを「3514Gはサジタルコマフレアを抑制した、夜景撮りに強いレンズです」と言っているのと同じだと解釈している。このようなコンセプトを持つ最新レンズとしては、本ホームページでも何回も登場してきている「5814G」がぶっちぎり、かつド級の性能を持っている鬼レンズであろう。

このような一文がニコンホームページの「3514G」製品紹介ページに公に掲載されているのであれば、それを検証しなければならない。なぜならば、普通のレンズならいざ知らず、「3514G」のようなハイエンド・フラッグシップレンズは製品紹介ページに書かれていることはきっちりと出来ている必要があるからだ。普及レンズでは「まあこんなものか」で済まされるかもしれないが、こいつらは一段上の描写だけではなく、二段も三段も上の描写を求める者だけが大枚叩いて手に入れるレンズであり、それが「こんなもの」では済まされない

そんな訳で「3514G」を手に入れてからというもの常々コイツで夜景を撮りたいと考えていたのだが、先稿のとおり遂にシンガポールのマリーナベイサンズ展望台で夜景撮影が出来た。絞った本撮り作例は先稿にてご紹介した通りだが、ここでは「3514G」のサジタルコマフレアに特化してご紹介したい。

結果としては、ボクの想像以上。これは現代版Noct(夜) Nikkorの異名を持つ「5814G」と同レベルだと言っていいだろう。こいつは開放から画面全域でサジタルコマフレアを抑制しており、素直に驚いてしまった。自宅に帰ってPC画面で確認するまでもなく、現地で撮影していてカメラの液晶で拡大するだけでもその「違い」が分かる。

f/1.4開放からしてこのパワーを見せつけるということは、そこから数段絞るとすさまじい夜景性能を発揮するということに他ならない。これはスーパーカーで一般道を走ってもその凄さは分かりにくいが、レーシングサーキットに入るとその圧倒的な差を発揮するのと似ている。このレンズにとって、夜景はレーシングサーキットそのもの。ギリギリの条件になればなるほどその実力が際立ってきて、価値がある。

ボケ味、切れ味、夜景性能・・・。そのどれをとっても段違い。

こいつはボクが期待していた以上のスーパーレンズだった!

機種 D4 「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」

絞り 開放 F1.4

信じられない事だが、絞り開放F1.4にしてこのパワー。このレンズはマジですごい。あの5814Gに匹敵するレベルと言っても過言ではないだろう。先に挙げた「AiAF Nikkor 35mm f/2D」の絞り開放F2とは雲泥の差過ぎる。等倍にして観察すると描写が甘いが、凄まじいレベルだと思う。
また、この日はガスがかかっておらず、大気の状態も非常にクリアだったのはラッキーだった。

念のためにもう一度繰り返すが、これは絞り開放F1.4の画像だ。以下に各絞り値に対するサジタルコマフレアの検証結果を詳細に載せさせて頂きたい。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.4
露光時間 1/8s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 ポータブル三脚・レリーズケーブル


左端 中央上部 右端 光芒 備考
F1.4 絞り開放 F1.4

想像以上にサジタルコマフレアが抑制されていることが分かる。「Noct-Nikkorの思想を受け継ぐ描写力」と謳っているだけの事はある。

原版ファイルはこちら(10MB)
F1.6 F1.6

左端にサジタルコマフレアが発生しているのが分かるだろう。

原版ファイルはこちら(10MB)
F1.8 F1.8

2/3段ではまだサジタルコマフレアが確認出来るが、拡大しているから見えるというレベル。普通のサイズで見る限り、判別できないレベルになっている。

原版ファイルはこちら(10MB)
F2.0 F2.0

サジタルコマフレアがぐっと小さくなってきた。ほとんどすべての点が点として写っている。

原版ファイルはこちら(10MB)
F2.2 F2.2

F2.2にもかかわらず画面全域で解像度も高く、十分使える画質を提供してくれている。

原版ファイルはこちら(10MB)
F2.5 F2.5

その片鱗を見せつけている。

こ、これはすごいレンズだ。

原版ファイルはこちら(10MB)
F2.8 F2.8

2段絞るとサジタルコマフレアは消失し、解像度も十分に高い。この辺りから圧倒的パワーを発揮する。

原版ファイルはこちら(10MB)
F4.0 F4.0

「すげぇ!」って声をあげてしまうほどのレベル。

3段絞ると解像力がさらにドンと増える。夜景撮りスイートスポットに完全に突入。

原版ファイルはこちら(10MB)
F5.6 F5.6

夜景撮りスイートスポット。解像力も十分以上。光芒が育ち始める。

原版ファイルはこちら(10MB)
F8.0 F8.0

こりゃすごいレンズ。想像以上だ。F11、F16になると絞り込むことによる回析やブレなどの弊害が出てくるので割愛する。

原版ファイルはこちら(10MB)

5814Gの投稿でも述べたが、一口に夜景と言っても千差万別だし、撮影者の意図が反映されるべきなので、一概にどの条件が良いと結論付けることは不可能なのだが、この被写体に関して言えば、「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」のスィートスポットはF4.0〜F8程度と言えるだろう。

F2.8でも十分以上の実力を発揮しているが、F4やF5.6になると神写りする。

ニコンはホームページの製品紹介ページでこのサジタルコマフレアの抑制について「さらり」としか書いていないが、これはもっと世間に宣伝したほうが良い。こんなに凄まじい性能を持っているというのにそれを宣伝していないのは勿体ないだろう。

5814Gに匹敵すると言えるこの実力は、只者ではない。


機種 D4 「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」

絞り F4

なにこれ まじ ほんとやばい。

百聞は一見に如かず

これ以上の説明は不要だろう。

このレンズは、「買い」だ!
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F4
露光時間 2s
ISO感度 ISO200
露出補正 +1.0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 ポータブル三脚・レリーズケーブル


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