AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED
サジタルコマフレアの検証

先稿にて「3514G」のサジタルコマフレアについて検証させていただいたが、その理由としてはニコンのホームページにて公式に「3514GはNoct Nikkorの思想を受け継いだ夜景スペシャルレンズだ」と説明がなされていたからである。今回の検証によって「3514G」 は絞り開放付近でも画面全域に渡ってサジタルコマフレアを抑制する能力があり、「5814G」と同等レベルという夜景撮りで相当高いパフォーマンスを持つことが分かった。

そうなると次に知りたいのは「じゃあ、2414Gはどうなの?」である。「2414G」は言わずと知れたニコンが誇るナノクリf/1.4G四天王のうちの一本であり、価格で順位づけしてもよいのであれば希望小売価格が30万円という四天王のうちで最高額のレンズである。
ニコンのホームページを参照すると、「2414G」については「3514G」や「5814G」とは違ってサジタルコマフレアに関する記述は見当たらないが、ナノクリf/1.4G四天王ということでその実力を検証してみても損はないだろう。

結果としては、「3514G」や「5814G」と比較して開放f/1.4で等倍観察するとサジタルコマフレアの形が分かるレンズだという事が分かった。例え開放でサジタルが少し出ていたとしても、ニコンの製品紹介ページにはサジタルコマフレアについては一切触れておらず、これが出ているからと言って「2414G」を責めるつもりは毛頭ない。開発過程においてこれの完全な抑制を目指したはずであるが、24mmにしてf/1.4というド級の明るさゆえに難しさがあるのだろう。大事なのはそのレンズの特性を身を持って体感し、知ろうとすることだ。

具体的には開放では発生しているが、1段絞ると殆ど目立たなくなり、2段絞ったF2.8で完全に消失する。3段絞ったF4程度にして撮影すると圧倒的パワーをもって神写りするのは「3514G」や「5814G」と同じである。夜景のみならず星空を撮影するためにも「2414G」や「3514G」が使われるが、「2414G」については最低1段絞り、できれば2段絞りくらいで使うとよいだろう。

このように、個々のレンズによって扱いや癖が異なってくる。全部が全部のレンズを同じように扱ってはならない。その場になって慌てたり失敗したりしないためには、普段から同一条件で出来るだけ多くの絞り値で撮影し、そのレンズの癖やスイートスポットを把握しておくこと。これは、まだ見ぬ理想の一枚をゲットするためにとても大切なことなんだ。

「2414G」は24mmという広角レンズがゆえに光点も小さく写る。よってパソコンの画面で普通に鑑賞する分にはサジタルコマフレアのサイズも小さく、またF4以上に絞り込んでもサジタルが既に消失しているので、F1.4〜F4までの作例としているがご容赦願いたい。

機種 D4 「AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED」

絞り 開放 F1.4

これが「2414G」の絞り開放の描写。

先にボクは「2414G」はサジタルコマフレアが出ていると書いたが、あくまでそれは「3514G」や「5814G」と比較してでの話である。等倍にして観察しないと何処に発生しているのか分かりにくいというレベルだ。また、開放なのでビルの線の描写が甘いが、それでも十分凄い写りをしている点は見逃せないだろう。

ここから少し絞って撮ると、さらに2段も3段も上の描写をするのが、「2414G」だ。
レンズ AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.4
露光時間 1/5s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 24mm
AFモード マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 ポータブル三脚・レリーズケーブル


左端 中央上部 右端 備考
F1.4 絞り開放 F1.4

通常のサイズで見ると小さくて目立たないサジタルコマフレアだが、画像を等倍にすると周辺部にサジタルコマフレアが認められる。


原版ファイルはこちら(10MB)
F2.0 F2.0

サジタルコマフレアを抑制すべく一段絞ると、サジタルコマフレアがかなり小さくなる事が分かる。

グッ!と小さくなるのは流石だ。

原版ファイルはこちら(10MB)
F2.8 F2.8

2段絞るとサジタルコマフレアが完全に消失する。このあたりから「2414G」が本領発揮する。

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F4.0 F4.0

3段絞るとその圧倒的なパワーを見せつける。実際問題として夜景撮りではF4〜F8程度で撮影すると神写りするレンズだ。

これやばいっす。

原版ファイルはこちら(10MB)

「2414G」の絞り開放の作例を見ると、24mmの広角が故にサイズが小さいものの等倍表示すると典型的なサジタルコマフレアの形が確認出来た。それも一段絞ったF2で撮ればかなり目立たなくする事が出来るので、緊急時に手持ちで夜景撮影をしたい時は一段絞ればよいだろう。こういったシチュエーションでやはりf/1.4の明るさは価値があり、役に立つ。

しかしボクにとって三脚・レリーズケーブルなしの夜景撮影は考えられず、必ず三脚・レリーズケーブルかつミラーアップを使い、ある程度絞ってスローシャッターを切る。それではなぜ開放付近での夜景性能にこだわるのか?「絞って撮るならF3.5〜とかのズームレンズで絞って撮ったら同じではないか?」と・・・。しかしそれは違う。

ボクは、ほとんどすべてのレンズは開放から2段絞ったあたりからがスイートスポットであり、開放付近で素晴らしい夜景描写をするレンズは、2〜3段程度絞ればもっともっと素晴らしい・・・段違いの夜景性能を発揮すると考えている。「2414G」はもちろんの事だが、「3514G」や「5814G」はf/1.4という大口径開放付近から特に素晴らしい描写性能を持つ。つまり、こいつらを絞りこんで撮った時には、普通のレンズと比較してズバ抜けた描写性能を発揮するということに他ならない。一般的な普通車がいくらアクセルを踏み込んでも、GT-Rの一踏みには勝てないのと同じだ。

もともとf/1.4単焦点レンズは非常に美しく自然なボケ味にこだわったレンズだが、それに加えてこの夜景性能をも持ち合わせている。例えそれが一本20万円オーバーとか言われたとしても、それを求める者にはその価値が十分にあり、本格的に写真をやるのであればいたずらにカメラボディを更新するのではなく、こいつらのうちどれか一本を手にした方が有意義だと、ボクは思うんだ。

機種 D4 「AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED」

絞り F2.8

この端正できめ細やかな光点描写を絞り値F2.8で叩き出す。これこそがf/1.4〜の大口径が成せる業である。

これは重箱の隅をつつくような話ではなく、小さな街灯りを一粒一粒全て描写しつくす事によって初めて、全体的にきめ細やかな絵が得られるのだ。夜景描写性能に劣るレンズでは大味な夜景写真となってしまう。

これはボディの性能や画素数よりも、なにはともあれ「レンズが大事」だという事を教えてくれる好例だろう。
レンズ AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1.3s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 24mm
AFモード マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 ポータブル三脚・レリーズケーブル


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