絞り値の使用頻度考察
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

先日からお伝えしている各レンズにおける絞り値の使用傾向だが、調子に乗ってズームレンズについても検証してみたいと思う。ボクはレンズに投資しまくっているように思われているかもしれないが、確かに単焦点レンズについてはそれは当てはまるかもしれない。しかしズームレンズに限って言えば2本しか所有しておらず、それは通称大三元と言われるうちの2本「14-24mmF2.8G」と「70-200mmF2.8G」だけである。これに「24-70mmF2.8G(E)」を追加すれば完璧なのだが、今のところのその機会に恵まれずにいる。新型Eタイプが出た今、G(中古)の買い時到来かっ!?などと脳内妄想しているところだが、何はともあれ超広角レンズ「14-24mmF2.8G」についてLRを用いたデータ集計結果が以下となる。

ところで、単焦点レンズについては、言わずもがな焦点距離が固定されているので検証するのは絞り値だけでよかったが、ズームレンズについては絞り値の他に焦点距離も可変であるため(※あたりまえ)、絞り値に加えて焦点距離のデータも併せて載せている。


2015年 AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 絞り値実績

これが「14-24mmF2.8G」の2015年における絞り値の使用頻度である。まず大前提として、その他F1.4レンズは人物・ポートレート用途でも活躍させているレンズであるが、本レンズを用いて人物を撮影することはほとんどなく、専ら建築物・風景・夜景専用レンズとなっている。本レンズは開放から素晴らしい解像感を発揮するレンズではあるが、建築物・風景・夜景レンズという事を踏まえて考察すると、最低でも1〜2段くらい絞りたいという心理が働くのは当然のことだろう。結果的に2段絞ったF5.6の使用頻度が最も高く、1段絞ったF4が2位、3段絞ったF8が3位となり、開放は4位という結果になっている。

もっと言うと、薄暗いモスクや教会などでは1段絞ったF4、三脚が使用できる夜景ではF5.6〜F8、明るい日中の風景ではF8〜F11、どうしようもなく薄暗い手持ちのシチュエーションではF2.8を選択する感じだ。

普段F1.4レンズばかり使っていると3段絞ってもまだF4もあるという余裕に慣れてしまうが、本レンズの場合は3段絞るともうにF8になってしまっているのがズームレンズの厳しいところである。なお、絞りのキリ番を選択することが多いので、F2.8、F4、F5.6、F8がピョコピョコと高くなっているのはその他のレンズと同様の傾向だ。

AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
絞り値F2.8
機種 D4 ボクがこのレンズで絞り開放で撮影しているのはどういう時か抽出してみると、作例のようにどうしようもなく薄暗い場所で、しかも手持ちのシチュエーションだ。

建築物内で撮影するとき三脚さえ使用できれば好きなだけ低感度で好きなだけ絞って撮れるのだが、そうはいかない事がほとんどだ。大抵の場合は手持ちとなるので、絞り値・シャッター速度・ISO感度のせめぎ合いとなるのは常である。
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/30s
ISO感度 ISO500
露出補正 -0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 14mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
三脚 手持ち


AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
絞り値F4
機種 D4 ボクがこのレンズでF4を用いて撮影しているのはどういう時か抽出してみると、暗いんだけどギリギリ一段絞れるようなシチュエーションだ。

この作例ではISO感度をある程度諦めてISO800としているが、しゃがみ込みながら全身岩のように固まってシャッターを切ったものである。
「手持ち限界低速=1/焦点距離」という式に習えば1/13sというシャッター速度はもう限界であり、これ以上絞ることは無理

ギリギリでの勝負となっているので一枚シャッターを切ったくらいでちゃんと撮れたなど考えてはならない。最低でも5枚は同一構図で撮影し、最も手ブレしておらず、かつ傾いていない一枚を抽出しよう。
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F4
露光時間 1/13s
ISO感度 ISO800
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 14mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
三脚 手持ち


AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
絞り値F5.6
機種 D4 ボクがこのレンズで絞りF5.6で撮影しているのはどういう時か抽出してみると、外から光が差し込むような薄明るい室内では2段絞ったF5.6を利用出来る場合がある。実際問題としてデジタル時代になった今では手ブレしないシャッター速度は「1/(焦点距離X2)」と考えており、焦点距離14mmでは1/30Sは欲しいところだ。

この条件では、ISO200で2段絞り、さらに+0.3露出補正を加えても1/30sを確保できている。でも、1/30sは手ブレしないギリギリの所を攻めていることには変わりない。
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F5.6
露光時間 1/30s
ISO感度 ISO200
露出補正 +0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 14mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
三脚 手持ち


AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
絞り値F8
機種 D4 ボクがこのレンズでF8を用いて撮影しているのはどういう時か抽出してみると、簡単に絞り込める日中の外が多い。

撮影難易度としてはやはり日中の外ははるかに簡単なものであるが、やはり撮影に慣れてくると、薄暗かったり夕焼けだったり「ギリギリのシチュエーションになればなるほど燃える」のは当然のことだろう。
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F8
露光時間 1/320s
ISO感度 ISO100
露出補正 +0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 14mm
AFモード LVモード ノーマルエリア
三脚 手持ち


2015年 AAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 焦点距離実績

本レンズはズームレンズがゆえに焦点距離が可変である。よって各焦点距離ごとの使用頻度を示したものが上記グラフとなる。もともと「14-24mmF2.8G」が「14-24mmF2.8G」たる所以とは、これが14mm始まりだということだ。この14mmという焦点距離を使わないのは勿体ないことであり、特にモスクや教会などの建築物内撮影では強烈な武器となることから、14mmの使用頻度は当然高い。
興味深いのは14mmと同じ枚数だけ撮影されている24mmだ。もともと24mmは最も苦手な焦点距離なのに、24mmが多用されていたのは意外な結果だった。おそらく2414Gを使いまくっているうちに24mmという焦点距離に対する、耐性みたいなものが出来ているのかもしれない。
3位以降はキリ番、20mm、18mm、16mmとなってゆくが超広角レンズは1mmの違いが大きな違いであり、自分の足で稼ぐにしても限界がある事が多々あるため、焦点距離のキリ番打ちについてはそこまでこだわっていない。

AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
焦点距離14mm
機種 D4 ボクがこのレンズで14mmを用いて撮影しているのはどういう時か抽出してみると、やはりダイナミックな風景や建築物内を14mmならではの超広角で収めたいときに用いており、そもそもこの14mmから使える事こそが14-24mmF2.8Gの存在意義の一つなのだ。
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F7.1
露光時間 8s
ISO感度 ISO200
露出補正 +0.7
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 14mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ


AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
焦点距離18mm
機種 D4 ボクがこのレンズで18mmを用いて撮影しているのはどういう時か抽出してみると、14mmは超広角がゆえに「やりすぎ」と思えるようなときに16mmや18mmなどを選択することになる。

この作例では14mmで撮影するとあまりにもモスクが小さくなりすぎるため18mmを用いてサイズ感を調整している。
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F5.6
露光時間 5s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 18mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ


AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
焦点距離20mm
機種 D4 ボクがこのレンズで20mmを用いて撮影しているのはどういう時か抽出してみると、やはり14〜18mm程度では「やりすぎ」なときに用いることになる。

そもそもニコンのカタログに20mmF1.8Gがラインナップされていることが示している通り、20mmは24mmに次ぐ焦点距離のキリ番であり、ボクはこの20mmを多用しなければ勿体ないと考えている。使ってみると20mmは収まりがよく結構お気に入りの焦点距離なのだ。
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F4.5
露光時間 1/80s
ISO感度 ISO200
露出補正 -0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 20mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
三脚 手持ち


AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
焦点距離24mm
機種 D4 ボクがこのレンズで24mmを用いて撮影しているのはどういう時か抽出してみると、やはり焦点距離のキリ番として24mmが最も収まりの良いときに使用している。

以前、24mmという焦点距離は最も苦手な焦点距離だったのだが2414Gを使うようになってから鍛えられたのか、意外にも24mmの使用頻度が高くて自分でも意外だった。
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F4
露光時間 5s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 24mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ


以上が「14-24mmF2.8G」の各絞り値及び焦点距離の使用頻度と作例になるが、本レンズはもっぱら風景・夜景・建築物撮影に特化させているだけあってF2.8の使用頻度は思いのほか低く、最低でも1段は絞りたく、できれば2〜3段絞って使うという形となる。ただしそこで必ず立ちはだかるのがシャッター速度低速限界である。1段絞ることによる画質アップよりもシャッター速度低下に伴う手ブレの方が決定的に悪影響を及ぼすため、絞りを欲張って手ブレするくらいなら絞りを一段開けた方がマシであり、もしくはISO速度を上げた方がマシである。とはいえ、ギリギリの所を攻めたいと思うのは当然であり、なるべく低感度で、なるべく絞って、かつ絶対に手ブレさせないように撮るという確固たる心構えが必要だ。

以上、各種手持ちでの作例を見てゆくと、手ブレしないギリギリのシャッター速度で如何に絞るか、如何にISO速度を低くするのか四苦八苦しているのが透けて見え、この撮影設定情報を見るだけで面白いものがある。


70-200mm f/2.8G ED絞り値


TOP