ガラス越し夜景撮り。反射光カットアイテム自作

ボクは夜景撮りが大好きなのだが、すぐ近くに絶好の夜景スポットがあるにもかかわらず、未だに夜景撮影に行っていない場所がある。それがマレーシア・クアラルンプール・「KLタワー展望デッキからの夜景」である。否、正確に言うと約2年前にすでに挑戦しているのだが、とある理由によってその夜景撮りは完全に失敗に終わっており、それ以降、足を運んでいない。

何はともあれ、以下の失敗作を見て頂くと、2年前の夜景撮りでは何が問題だったのかが一目瞭然である。

機種 D3 画面下部に余計な足場が写り込んでいるといった構図的な問題点はあるが、それよりも何よりも「ガラス越しでの撮影」になるため、ガラスの反射光が画面全体に写り込んでいる事が問題である。

左下には背後のTシャツの売店が、右上には天井照明が、右下や画面中央にはあらゆる何かが写り込んでおり、これでは撮影にならない

背後のTシャツの売店でTシャツを購入し、それを暗幕代わりに使っても全く役に立たず、その場では打つ手なしという状況だった。素材としては素晴らしい夜景スポットだが、あの一件以来ここで撮影はしていない。
レンズ SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM
絞り F11
露光時間 30s
ISO感度 ISO200
露出補正 +3.0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 12mm
AFモード AF-S
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 なし。手持ち。

このまま手をこまねいていたわけではなく、ボクの頭の中にはアイディアだけはあった。ただそれを実行に移すのが面倒で、行動を起こしていなかっただけである。しかし、時が経つのは速いもので、あれから2年近くがあっと言う間に過ぎてしまい、このままだといつまで経ってもあの夜景を自分のものに出来ない。そんな訳で、一念発起してボクのアイディアを実行に移すことに決めたのである。ガラスの反射光を取り除ければ良いわけで、ボクのアイデアはいわば誰でも思いつくようなものだ。

ちなみに、「PLフィルター」という手段もあるわけだが、PLフィルターは安くないうえに2414G、3514G、5814Gとフィルターサイズがそれぞれ違う。しかも夜景の魅力は街全体に煌めく光の反射。それをもカットしてしまう「PLフィルター」はボクの選択肢の中には無い。そもそも14-24mmでは「PLフィルター」が使えない。

そこで考えたのが小学校レベルのダンボール自作。これはその一部始終である。

用意するものは段ボールとガムテープ。

普段、ミクロン(1um=1/1000mm)という数字を扱って仕事をしているにも拘わらず、採寸なしの完全現物合わせで作業をスタートする。

試作機からきっちり作ろうとして失敗すると挫折する。適当でも何でもいいので、まずは作ってみる事が大切だ。

ガムテープをぺたぺたと貼り付けて形にしてゆく。
この時点で既にボクがどうやってガラスの反射光を除去しようとしているのかご理解いただけるものと思う。

ここまでの所要時間、数分。

裏から見た図。

転がっているレンズは、現物合わせに使った3514Gだ。2414Gもほぼ同寸となる。

隣で見ていた三女が、「ぱぱこれなに〜?」とか言いながら興味深々に邪魔してくる。既に23時。そろそろ寝てほしいものだ。


ここまで出来たところで実際に14-24mmを装着してみたところ、問題が発覚。この寸法ではピントリングが操作できない

夜景撮りは厳密なマニュアルフォーカスが要求されるので、この仕様では使えない。

ピントリングが使えるように、凸部をカット。

おお。意外にそれっぽくなってきたぞ。

正面から見た図。

ガラスの表面にダンボールの明るい色が反射しないとも限らない。黒い紙を張り付けることにした。

何か黒いものはないかと探し回ったところ、丁度「ニコンのレンズカタログ」を発見。

「I AM YOUR EYES」のとおり、役に立って頂こう。

黒い紙を貼り合わせていく。
隙間の茶色はマジックで塗りつぶし、黒くした。

試写した結果、黄色いロゴ部分や白い文字も反射の一因になる事がわかったので、これも黒く塗りつぶした。

ハリボテで撮影していると、背後のマレー人から「WHAT IS IT?ARE YOU JAPANESE?」というお決まりの質問が飛んでくることが想定されるので、少しでも目立たないようにすべく(既に目立っているが)、逆側も黒くしてみた。

ここでは「D4」のカタログに犠牲になって頂いた。写真道具として生まれ変わるのであれば、カタログとしても本望だろう。

ここまで作るのに所要時間は1時間程度か。

早速試写してみよう。
これがガラス反射光カット前。

これでは全く撮影にならない。
実際、KLタワーではこの問題に直面したのだ。

そしてこれが自作アイテム使用時。
こんなダサいアイテム使えないなどと思うなかれ。

その効果たるや歴然に違うと言う事がお分かりいただけるだろう。

ちなみに、この赤丸部分からも有害な光が差し込んでくる事が分かった。現時点でこの穴を塞ぐように作り込もうとすると、秒単位で景色が変わる日没時にレンズ脱着で戸惑う事になる。これは撮影時に手でふさぐなどした方が、小回りが利くだろう。

後はリベンジ撮影に行くだけなのだが、今現在深刻な大気汚染で大気の状態が非常に悪い。上記の試写写真を見れば分かるが、全体にガスがかかっており隣の建物すら霞んで見える。大気の状態が良くなるシーズンを待って、出動だ。

自作でガラス反射光カット
Ver.2


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