Nikon 「D800/D800E」 試写

ニコンから「D4」が発表されたのは2012年の事。ニコンの旗艦機種たる一桁機の発表は一大ニュースになって然るべきなのだが、その「D4」の発表よりも世間をあっと驚かせたのが3630万画素という超高画素機「D800/D800E」の登場であった。

もちろんボクにとっても3630万画素と言う画素数は衝撃的で、ニコンから提供されたサンプル画像「Bibliotheque nationale de France」をダウンロードしてみて「すげー何だこりゃ?」と声を上げたのを今でも覚えている。この写真はボクに大きな影響を与えた一枚で、その後「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」の購入や、建築物をど真ん中から完全に水平/垂直に撮ると言ったスタイルに繋がっている。

しかし実際には「D800/D800E」を一度も試写する機会が無いままに後継機種「D810」の登場となってしまった。そんな折、ニコン・センター・クアラルンプールに行けばもしかして「D810」の試写が出来るかもしれないと思い、KL近くを訪れたついでにニコン・センター立ち寄ったところ、流石に「D810」はなかった。しかしデモ機として「D800/D800E」を発見し、初めての超高画素機での試写が出来たので遅まきながらご紹介させて頂きたい。

「D800/D800E」の魅力は何と言っても3630万画素だが一番最初に衝撃を受けたのは、撮影したRAWデータサイズ。何と1枚で72MBもあるではないですか!20MBの「D4」ですらRAWの保管に四苦八苦している中、72MBというビッグサイズに絶句。たった14枚で1ギガだと・・・?
使用10ヶ月で6万ショットを重ねるボクとしては、仮にこれを全部保管するとしたら1年で5TBのHDDが必要になって・・・という計算はしないでおこう。



上記は「D4」と「D800」のRAWデータをCPNX2内で並べてみた絵だが、ファイルサイズがめちゃくちゃデカいのが分かる。「D4」の18MBに対して、「D800」は72MBもある。もちろんウェブ用途で載せられるようなサイズではなく、結局のところリサイズしているので折角の「D800/D800E」の超高画素というセールスポイントをスポイルせざるを得ないのだが、いた仕方なしだ。

肝心のデモ機だが「D4S」「D800」「D800E」と誰がいじったのか知らないが通常撮影では絶対にやらないようなぐちゃぐちゃな設定となっており「D4S」「D800」についてはいつもの設定に戻して撮影を開始できたが、「D800E」については設定を戻すのを忘れてスポット測光、X1.2倍クロップ、ISO感度オート、ピクチャーコントロールが風景などと言うぐちゃぐちゃな設定で撮ってしまった。「D4S」は慣れ親しんだ「D4」の操作となんら変わらないのでさっと変更できたが、やはり慣れないボディを使うと変な事をしてしまう。

普段使っているのが「D4」なので、どうしても「D4」との比較が入ってしまっているのはご容赦願いたい。

機種 D800 「D800」

ボディは思っていた以上に軽く、普段「D3」や「D4」に「f/1.4レンズ」を装着して撮っているボクとしては、ボディが軽すぎてレンズ重量とのバランスが悪いと感じた。

「D4」系と比べるのは間違っているのかもしれないが、ホールド感・がっちり感は圧倒的にD一桁に軍配が上がる。個人的にはバッテリーグリップを装着してレンズとの重量バランスを取りたいと思う。持ち歩いている時は重くても、カメラを構えた時に重量を全く感じさせないのが一桁機だ。

しかし、一般的な視点から言えばそもそも「D4」のサイズが狂気の沙汰であり、極めて普通の人から見れば「D800」だって十分重いカメラなのかもしれない。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/40s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D800E こちらは「D800E」

その前に、どうも露出オーバー気味だと思ったら、スポット測光で撮ってしまっていた。自分のカメラで撮る際はほぼあり得ないミステイクだが、慣れないデモ機を使うとこういうことになる。

しかもISOオート、風景モード、X1.2倍クロップと言うおまけ付き。「D800」の設定を戻したことによって油断してしまい、「D800E」の設定を忘れてしまった。これには「ガクッ」と来た。近いうちにリベンジしなければ。

「D800」と「D800E」の違いについては、この作例だけでは分からなかった。シャッターのキレ心地は思ったより軽快。今時のニコンを感じさせるもので、好印象を受けた。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/160s
ISO感度 ISO640
露出補正 0
測光モード スポット測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-S シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 手持ち

機種 D800 こちらは「D800」

撮影直後、体に染みついたルーチンで無意識で撮影画像を拡大しようとすると、サイズが大きすぎるためか拡大操作の遅さに驚いてしまった。サンディスクのCFの性能かもしれないが、D4のサクサクぶりに慣れ切ってしまっているボクとしては、この動作の遅さには違和感を感じてしまう。XQDカード対応にすればもっと速くなるだろうが、普及を優先したためかXQDは見送られている。

CPNX2での動作は一瞬重いが十分許容範囲だ。RAW画像を開くと、「D4」と「D800」の違いが分かる。拡大していっても「どこまでも大きくなる」ファイルサイズは流石3630万画素。

ちなみに高感度番長のD4ですらボクにとってISO800は高感度域。この作例の撮影感度はISO800だが、ISO800を感じさせない絵で、これには驚いた。非常用としてISO1600くらいまでなら十分使える印象を持った。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/125s
ISO感度 ISO800
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D800E ボクが常用しているのは「D4」なのでどうしても「D4」との比較になってしまうが、やはり大口径レンズで至近距離開放付近で瞳にジャスピン写真をゲットするならば「D4」の方が圧倒的に歩留まりが高い。それでも何枚か撮れば数枚はジャスピンをゲットできることからD800系のAF精度もなかなかなものだと感じた。

それにしてもD800シリーズはレンズを選ぶといわれているが本当だった。こりゃレンズを選ぶ。安物おまけズームで撮るカメラでは無い。「D800」シリーズを使うからには「それに見合ったレンズとそのビッグデータを扱う覚悟」が必要だと思った。D800Eに関しては、ニコン推奨レンズが発表されており、「コイツで撮るからにはこれで撮れ」という、ニコンからのメッセージとボクは受け取っている。大三元、ナノクリf/1.4G、サンニッパ〜が推奨レンズとなる。
ちなみに今回装着しているレンズはニコンが誇るナノクリf/1.4Gの一翼を担う「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」。双方にとって不足はないだろう。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/160s
ISO感度 ISO320
露出補正 0
測光モード スポット測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-S シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 手持ち


ボクが撮影する写真の殆どは、娘たちが一瞬だけ見せる表情を切り撮る瞬間写真。しかも画面全体カリカリにピントが合った写真を撮る事は滅多になく、ある一点だけにピントが合っている「ごく薄ボケ写真」がほとんどだ。撮影場所も、コンドミニアムの敷地内・レストラン・公園などの軽めの場所が多く、画素数は少ないほうが良い。

なので「D800」のような3630万画素という画素数は、ボクの撮影用途では重すぎで、「D3」や「D4」程度で丁度良い。それでも、「D800シリーズ」は風景撮りや建築物撮影用途でその威力を見せ付けてくれるであろうことを十分に体感できたのは、大きな収穫だった。シンガポールのマリーナ・ベイサンズにて「D800」に「5814G」を装着し、その夜景をマジ撮りしてボディとレンズの限界に挑戦してみたい・引き出して見たいと思わせる、そんなカメラだった。

ちなみに新発売の「D810」であるが、何とCPNX2が使えない仕様になっているらしく、ボクが「D810」をパスできる絶対的な理由となっている。今後出てくるカメラもCPNX2非対応となる事が想定されるが、今言える事とすれば、もしボクが追加でカメラを買うならば「D810」ではなくて、絶対に「D800/D800E」を選ぶってことだろう。

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