Nikon 「D4S」 試写

2014年7月現在、日本ではあの「D800/D810」の後継機種「D810」の発表に沸いているなか、マレーシアで「D810」をお目にかかれる事はまだない。しかし、Nikon Cenre KLに行けばひょっとしたら「D810」があるかもしれないと考え、Berjaya Times Squearまで足を運びNikon Cenre KLに行ってきた。

しかし、流石に「D810」のデモ機なんて置いておらず、そこにあったのは「D800」と「D800E」であった。それでも、「D800」だって未だに試写した事が無かったのでまずは「D800/D800E」の試写が出来るだけでも収穫はある・・・と思った瞬間、ボクの視界に入ったのは「D4S」のデモ機。「ぬおおぉ!?こ、これはまさしくD4Sじゃないっすか!」と思わず日本語で独り言を発してしまった。

早速、スタッフに声をかけて「D4S」の試写をさせて頂くことに相成った。使用レンズは自前の「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」。自前の「D4」も持参していたことだし、ほぼ同じ条件で「D4」と「D4S」の撮り比べをすることが出来た。

「D4」からの進化ぶりが絶賛され、もはや別のマシンと囁かれている「D4S」。今回だけの撮影条件で判断は出来ないのは百も承知の上で述べると、率直な感想としては「確実にD4から良くなっているが、想定される使用用途では思ったほど違いはなかった。激変はしておらず、安心した。」が率直な感想である。

「D4S」の使用感としては、縦位置セレクターのクリック感が増して扱いやすくなったと感じた。連写をすると「D4」と全く同じく、軽い感触なんだけど実は爆速でシャッターが切れている。「D4S」の方が軽く感じたが、ボクの「D4」は使用10ヶ月で6万ショットをうかがう勢い。新品の「D4」と「D4S」で比べるとほぼ全く同じ感触と言っても差支えないだろう。
注目のWBは確実に良くなっている。それは間違いない事だが、巷で言われているほど絶賛ものではなく現像処理による色調整は必要だと感じた。是非、外に持ち出して緑の多い中で撮影してその実力を試してみたいと思った。

デモ機はISO感度設定・測光モード・AFモード・WB設定値があり得ない形にぐちゃぐちゃになっていたので、全部一般的な初期値に戻してあげたが「D4」と全く同じ操作なので何一つ迷うところはない。AFモードやWB設定に新たな項目が追加されていたのは興味深いところ。いずれにせよ、説明書不要の操作系の統一は助かるところだ。
とりあえず「いつもの」全面測光、絞り優先オート、AF-C、シングルエリアフォーカス、ISO200、ピクチャーコントロールはスタンダードとして撮影を開始した。折角なので連写モードにして撮影した結果が以下である。ここに載せるのはRAWからJPGに変換し、リサイズしたのみの撮って出し画像となる。その他の項目はいじっていない。

たまにD4の写真を混ぜて載せてみるが「D4」と「D4S」の、その違いが分かるだろうか?


機種 D4S 大幅に変わったと言われている「D4S」だが、使ってみた感想としてこの柔らかな描写はまさに「D4」譲りと言えるもので、「D4」と「D4S」で違和感は感じない。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/80s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4S 驚異の絞り開放F1.4にて撮影。

至近距離から絞り開放F1.4にもかかわらず、ほんの数枚撮影しただけで、まつ毛の一本一本まで解像しきるドンピン写真を得られるこのピント精度は「一桁機の特権」であり、ボクが一桁機を使わなければならない理由。

それはもちろん「D4S」でも健在だ。
健在すぎる。

レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.4
露光時間 1/80s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4 うーん、素晴らしきかな「D4S」。
「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」の実力と魅力を引き出してくれる完全なピント精度は使っていて安心感がある。一度使ってしまうとその他のモデルは使えなくなってしまう魔力がある。

と油断させておいて、これは「D4」の画像である。

その違いが分かるだろうか?黄色が背景に大きくあるので黄色転びしやすいシチュエーション。「D4」と比して「D4S」は右上の壁が白く写っている。これが「D4S」の進化だ。

ただし「D4S」だって、現像処理による調整は必要だと感じる。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/100s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4S 露出や光の当たり方などがあるので、全く同じに比べる事は出来ないもののサムネイルでざっと並べてみると、「D4S」のほうが白いものが白く写っている。

人間の記憶力とはあいまいなので、実際の壁は本当に黄色がかかっているかもしれない。しかし、「記憶色」に近付けた「D4S」の改善には価値がある。

しかし、「D4」を売り払って追い金を払って「D4S」を買うか?と言われれば答えは「ノー」である。そこまで大きな違いはなさそうだ。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/60s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4 これは「D4」。

上記写真よりも光の当たり方が弱いが、やはり「D4S」のほうが「記憶色」に近いホワイトバランスを持っていると言えるだろう。

参考までにマウスポインタを置くと、「D4S」が出すであろう色目に調整した画像となる。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/200s
ISO感度 ISO400
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4S 「D4S」

大きな違いは見られないように思えるが、今買うのだったら「D4S」なのは間違いない。

8年ごとにフルモデルチェンジしていたF一桁機と違い、D一桁機は2年ごと。しかも値段は倍以上の60万円と来ている。世間一般的な視点から見れば、狂気の沙汰

進化あるモデルチェンジは喜ばしい事だが、カメラファンにとってはフトコロ事情に直撃する問題でもある。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/60s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

その発表以来、かねてから試写してみたかった「D4S」のデモ機があるなんて夢にも思ってなかったのでこれは嬉しい誤算だった。ちなみにマレーシアでの参考価格はRM22K強。31円/RMとして68万円オーバーとなる。D4も同じプライスが付いていたが、今買うとしたらもちろん「D4S」がお勧めである。

個人的な感想としては、「D4」と「D4S」には大きな違いを感じなかったので、やはりボクは「D5」待ち。以前「D5S」狙いと述べさせていただいたが、やはり「D4」から「D4S」になるダメージよりも、「D4S」から「D5」になった時のダメージは大きいと考える。

そう考えると「やはり、次の一手は「D5」か?」なんて妄想している今日この頃だ。

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