愛機 「D4」

本ホームページに投稿されている話題としては、カメラボディのネタよりもレンズのネタの方が圧倒的に多いことから分かる通り、ボクはボディよりもレンズの方が重要だと考えている。
極端な話、現行のフラッグシップ機もしくは超高画機にオマケズームを組み合わせて撮った夜景作例と、現行品の普及機に58mmF1.4Gのようなフラッグシップレンズを装着して撮った夜景作例では、後者の方が素晴らしい結果が得られるであろうことは明白である。これが動きものになるとまた別の議論が必要になるのだが、とにかく「良い写真を撮りたかったらボディよりもレンズに重きを置くべし」と言う事に異論をはさむ方は、ここに訪れる方であれば少ないと思われる。

しかし「ボディよりもレンズ」とか何とか調子の良い事をぬかしておきながら、一方でボクは55万もの大金を突っ込んでD4というボディを購入し、これを使用している。55万もあれば魅力的なレンズの1本や2本は追加で買えるので、言っている事とやっている事が矛盾しているかのように見える。そこで今回は、ボクがなぜD4を使っているのか、なぜD4でなければならないのか、そしてその重要性について述べさせて頂きたいと思う。まず最初にボクがD4を使用している根本的な理由を述べてしまうと、


「今、その瞬間を撮り逃したくない。」


という、シンプルな一言に全てが集約される。

では、「撮り逃した」とはどのような状況なのかというと、ピンボケ手ブレ、タイミング遅れは既に撮り逃しと同意義であり、しかしそれらは写真の教科書の最初のページに載っているような基本事項である。そしてこの基本事項がキッチリと守れる事がボクにとっての第一優先事項であり、その他の要素・・・、例えば画素数や色あい等は二の次となっている。

ところで、何をもってピンボケ・手ブレと判断するかは人それぞれだが、ボクはこの部分をかなりストイックに見ている人だと思う。たぶん、世間一般的に言ったら100人中95人位は「そんなのはどうでも良い。そこまで誰も気にしない。」と思うレベルを「全く以てどうでも良くない!」として自らの写真にNG判定を出し続けている。それらの詳細については先のコラム「手ブレはなくならない」、「ピンボケはなくならない」または「写真選別」に載せているのでここでは省略する。

理想を言えば「あっ!」と思ったと同時、その「0.00秒」の間に「完璧な精度」で瞳の一点にピントを合わせ、一瞬だけ見せた表情・しぐさを「撮り終えている」カメラが理想である。そして写真を構成するそのほか全ての要素が「納得の行くもの」でなければならない。ここまでくると集中力と瞬発力を要求される、ある種の「スポーツ」をやっているようである。そして現時点で考えうる「最も厳密な基本性能」を有したカメラが「D4(現行ではD4S)」であり、これこそがボクがD4を使わなければならない最大の理由である。

本稿をここまで読んでも「たかが子供撮りにそこまで必要ないでしょう?他機種で十分対応可能です。」と感じ、ボクが何を言いたいのか、または何をしたいのかご理解頂けない方が大半かと思われる。しかし、例えそうだとしても、ボクにはD4の瞬発力と精密性が絶対に必要なんだ。

「全ては、まだ見ぬ理想の一枚のために。」


機種 D3 「Nikon D4 + AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」

「てのひら」に、キューッと吸いついてくる様なホールド感。それ自体は決して軽いと言えないボディだが、撮影体勢に入ると体の一部となったように、まるで重さを感じさせない。

軽いタッチでシャッターボタンを押した瞬間、えもいわれぬような感触と共に撮影は完了している。この感触は振動ではない。残響音でもない。まさに、「えもいわれぬ」ような絶妙な切り心地。そして、シャッターボタンの「ストローク」も重要だ。撮り手が「ここだ!」と感じるところでしっかり切れる。

ついでに言うと「D4」を扱われているのであれば、歴代Nikkorの中で最強の標準レンズ「5814G」も手に入れたいものだ。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/80s
ISO感度 ISO400
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4 「D4 + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED」

ボクが狙うのは「瞳」の一点。

24mmといえども絞りF2の至近距離から狙うと被写界深度は極端に浅くなる。しかもファインダーを覗けないような低さから狙っている。

このような場合はボタン一発で切り替え可能、画面全域に渡って緻密にピント位置を選べる「LVモード」が役に立つ。手前の湯のみや手指をかいくぐり、何が何でも瞳にピントを合わせる。

ちなみに使用レンズは「2414G」。ナノクリF1.4Gシリーズの中で最高額を誇る、マジキチレンズだ。
レンズ AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/50s
ISO感度 ISO640
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 24mm
AFモード LVモード AF-F
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4 「D4 + AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」

最強の新型標準レンズ「5814G」。王道の絞り値F2.8を用い、至近距離から狙った。

その瞬間が撮れてさえいれば、多少のピンボケや手ブレは許容・・・・なんてボクにはできない。その瞬間が撮れていて、かつ400%に拡大してもピンボケ・手ブレの無いカットを常に目指す

ボクには瞳の一点のみにピントを合わせられるD4の・・・、「手助け」が必要なんだ。
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/125s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4 「D4 + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED」

たとえそこが光の無い真っ暗闇の場所だったとしても、使用する機体が「D4」であれば全操作系ボタンがイルミネーション点灯するので、迷うことなく操作が出来るようになっている。

ちなみに、この夜景は三脚を使用しておらず、地面にカメラを直置きし、柵に立てかけた状態での手持ち撮影となっている。このギリギリすぎるシチュエーションで選んだ絞り値はF2.8。

約10分程度しか発生しないブルーモーメントの夜景を完全に写し止められたのは、2414Gのド級の性能と、それを使用する者を迷わせないD4の操作性によるところが大きい。ボクが何を言っているのか理解できないかもしれないが、D4をフィールドに持ち出し、実際に使ってみれば、ボクが何を言っているのかお分かり頂けるだろう。
レンズ AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/5s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 24mm
AFモード LVモード 拡大鏡MF
ピクチャーコントロール 風景
三脚 地面置き柵固定

機種 D4 「AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF」

絞り F3.2

ポートレートのエースレンズ「8514D」はボクにとって欠かすことのできない一本だ。

しかし、いくら絶品ボケを持つレンズだとしても、それがピンボケ写真だったとしたらそれは撮れていないと同じ事だ。二度と来ないその瞬間において、8514Dの魅力を確実・完全に引き出すために、ボクは「D4」を使っている。

現時点において「D4」を上回るカメラは存在していないが、次にそれが来るとしたら、それは「D5」しかないだろう。
レンズ AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
露出モード 絞り優先オート
絞り F3.2
露光時間 1/250s
ISO感度 ISO160 (自動制御 高速)
露出補正 +0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 85mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 手持ち



TOP