写真選別方法

ボクの主たる被写体は、このホームページを訪れて下さっている方はお気付きの事かも知れないが、我が家の娘たちだ。写真好きの方がもしご自分に「女の子」を授かったとしたら、その方は間違いなく自分の娘を撮影テーマの一つとするだろう。もちろん「男の子」も素晴らしい被写体となりうるが、ポートレートの被写体が圧倒的多数で男性よりも女性のほうが多い事から分かる通り、「男の子」よりも「女の子」のほうがポートレートの被写体としては好適であるとボクは考えている。

しかも我が家の場合は、ボクの日ごろの行いが良かったのか「3人連続女の子」という写真好きにとって非常に恵まれた結果となっている。長女の時はフィルム一眼「F6」を使用していたので24枚〜48枚/日だったものが、三人娘になって、ボディがデジタル一眼「D3」「D4」となった今ではその撮影枚数が飛躍的に跳ね上がり、200〜300枚/日の撮影では少ないほうで、平均して500〜700枚/日、ノッている時は1,000枚/日というボリュームでシャッターを切るようになった。

ところで、デジタル時代となった今においても必中必撮を狙い「最小枚数で最高の結果」をゲットされる方がいらっしゃる。元々ボクもフィルム時代から写真を始め、約24枚/日という制限の中で写真を撮ってきたクチだが、たかが子供のポートレートとおっしゃるなかれ、大口径レンズを開放付近、至近距離からせわしく動き回る子供の瞳の奥に映る自分自身にまでピントを合わせ、ピンボケなし・ブレなし・構図良し・背景良し・しぐさ良し・表情良し・その他すべて良しの写真を、24枚/日という少ない撮影枚数でゲットすることはボクの技量ではほぼ不可能なのだ。一見して良いのが撮れたと思っても、「あともう少し・あともう少し!」と欲を出しているうちに、必中必撮の信条で500枚/日シャッターを切ったとして、自分が納得できる写真は月に一枚あれば良いほう・・・・という要求レベルになってしまった。
もはや数打てば当たるみたいな撮影方法だが、ここで断言したいのは適当にシャッターを切っているわけではなく、一枚一枚・息を止めて集中しながら500枚シャッターを切っている。足りない技量を補い、「まだ見ぬ理想を一枚」をゲットするには、こうするしか方法がないのだ。

相当枚数を撮影するようになった結果、撮影した写真の「選別作業」がこれまた大変なことになっている。ここでその選別作業を怠ってしまうと、あっという間に膨大な量の「仕掛り」を抱えることになる。よって基本は撮影したその日のうちに選別作業を完了させる必要がある。結構面倒くさい作業と言えば面倒くさい作業だが、500枚の中から「光る一枚」を見つけた時には「おぉっ!」と思ったりして、楽しい作業でもあるのだ。

今回は撮影した写真の選別フローをご紹介してみたい。

機種 D4 「一次選別」

荒選別

ここでボツにするのはこんな写真。

その日に選別しなければならない写真は平均して500枚程度。目標としては、HDDに残すのは100枚程度にしたい。やってみると分かるが、結構なボリュームなので、ゆっくりやっているとかなり時間がかかってしまう。まずはパッと見ただけで分かる変顔・ボケ・ブレ写真は真っ先にボツとする。この作業は簡単。

作例は行きつけの喫茶・レストランで撮影した一枚。この写真をボツとした理由をここで詳細に説明する必要はないだろう。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.5
露光時間 1/80s
ISO感度 ISO360 (自動制御)
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 手持ち

機種 D4 「二次選別」

ピンボケ・手ブレ写真を落とす。
ここでボツにするのはこんな写真。
頬の水滴にピントが合ってしまい、狙った瞳にピントが来ていないのでボツ
パソコンの全画面表示で見ただけで目にピントが合っていないような写真はサクサクとボツにしていこう。
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/400s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 手持ち

機種 D4 「三次選別」

2周して粗方選んだところで三周目に入る。
ここでボツにするのはこんな写真。
三周目になってくるとサクサク落とせず、選別に時間がかかるようになる。これは三次選別で落とす典型的な写真。

露出がよく、表情やしぐさも良いほうだが、瞳ではなくて、眉毛付近にピントが来てしまっているのでボツ。被写界深度としては数ミリのズレにしか過ぎないが、瞳にピントが合っておらず気に食わないからボツ。
D4といえども至近距離から動き回る子供を狙うので、この程度ピントが外れた写真は相当数出てくる。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.5
露光時間 1/80s
ISO感度 ISO500 (自動制御)
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 手持ち

機種 D4 「三次選別」

この時点で既に2周見ているので、良いと思われる写真はすでに「当たり」が付いている。
よって、このように完全にジャスピン・ブレなしの写真でも、肝心のモデルが無表情で面白みがない写真もこの時点で落としてしまう。

しぐさや表情がよいのにブレていたり、逆に完全にジャスピン・ブレなしでもモデルが無表情だったり、三拍子揃った写真なんてなかなか撮れないと、つくづく思う。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.5
露光時間 1/80s
ISO感度 ISO400 (自動制御)
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち


三次選別を終えると、撮影した500枚の写真は約半分の250枚程度まで減っている。この時点で世間一般的な感覚でいえば「なかなか良いんじゃないの?」と思われる写真が残っていることになるのだが、一般的な視点でピントが合っていたり、手ブレしていないように見えるというレベルでは納得できないし、感じない。よって一旦一休みして、四次選別作業を開始する。

この一休みというのが結構大事だったりして、食事など1時間くらい別のことをした後に再度選別作業に取り掛かると頭の中がリセットされ、捨てるか否か迷っていた写真も冷静になって判断出来る。


機種 D4 「四次選別」

更に厳密に見る。
ここでボツにするのはこんな写真。

しぐさ・表情・滴る水の質感等、なかなかの瞬間を捉えたが、厳密に見ると瞳にピントが来ていない。同一構図で複数枚ある場合、厳密に見て瞳にピントが来ていない写真はボツにする。10個のドングリの中から完璧なドングリを探し出すイメージだ。

手ブレはなくせない」、「ピンボケはなくせない」でも投稿させて頂いたが、ごく僅かなピンずれやブレまでチェックする。
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/640s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 手持ち


ここまで厳密に見てゆけば撮影した500枚は100枚程度まで減っている。あまりにも厳密に落としすぎると残せる写真が無くなってしまうし、記録写真としても残す意味はあるので、落としすぎないようにする感覚も大事。よってこれ以上落とすのを防ぐべく、ここでファイル名を連番で変更してしまう。枚数が枚数だけに、手動で1つ1つ名前を変更するようなことは出来ないので、ファイル名一括変更ソフトを利用している。
なお、ファイル名についてはこの10年以上変えていないルールがあって「2014.03.21-子供たち-xxx」といった形で日付順で連番保存している。また、RAWとJPGは同一ファイル名にしておく必要があるだろう。

以下は、選別作業を経て残った写真である。


機種 D4 残す写真はこんな写真。

ひとつ前の写真と何が違うのか分かりにくいかもしれないが、こちらのほうが狙った「瞳」にピントが来ている。等倍観察はおろか、200%に拡大しても完全に瞳が解像しており、ここまでピントが合って初めて「ピントが合った」と言える。

しぐさ・表情もよく、完全にジャスピン。

このレベルを求めると、やはり「D4」の厳密なAF性能が多大な戦力になるし、ボクにとって必要不可欠なマシンでもある。
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/640s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 手持ち

機種 D4 残す写真はこんな写真。

逆光を利用して撮影したが、露出良し・構図良し・しぐさや表情良しのカットとなった。実際問題としてこのワンカットを撮るだけでも結構しつこく撮っているのだ。
レンズ AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/400s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 58mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 手持ち


それでもこの日は本当に納得出来るような写真は撮れなかった。というよりも、納得できる写真が撮れる日なんてほとんどなく、撮れない日が大半だ。月に1枚あればいいほうで、下手すれば数ヶ月間撮れない日が続く。

下に挙げる一枚は本ホームページでも何回か出てきている一枚だが、本当に納得できた数少ない一枚。こういう瞬間をすべてドンピシャで切り撮るのって、メチャクチャ難しいのだ。


機種 D4 捉えた瞬間・表情・しぐさ・ピント・構図・首から下げている水中眼鏡が三女のキャラを演出している等々、納得いったカット。D4とAiAF Nikkor 85mm f/1.4D IFの組み合わせからもたらされた。

こんな瞬間はめったに撮れない。今では大きくなって水に慣れ、プールでめちゃくちゃに暴れまわる事もあって撮影難易度は更に高くなっている。これを上回る写真はしばらく撮れていない。

それでもまだ見ぬ理想の一枚を撮るべく、今日もシャッターを切るのだった。
レンズ AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 1/320s
ISO感度 ISO100
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 85mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 手持ち


TOP