AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
マリーナ・ベイ・サンズ

「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」は、2014年9月に発売されたNikkor最新型単焦点レンズであるが、このレンズの名称を聞いただけで耳がピクリと反応して、思わず振り向いてしまう方も多いのではないだろうか。

「なにぃ?AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDだと・・・?」 と・・・。



それもそのはず、「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」こと「2018G」は20mmという超広角レンズでありながら、鬼の大三元14-24mmF2.8G(定価30万円)の開放F値2.8を軽く超えたF1.8という明るさを持ち、EDレンズナノクリコートを備えたF1.8Gシリーズの中にあってフル装備最高額の超広角大口径レンズなのだ。ご参考までにF1.8Gシリーズの2015年3月現時点でのメーカー希望小売価格は下記のようになっている。

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED 108,000
AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G 96,120
AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED 68,040
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G 29,160
AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G 66,960

しかし、2015年現在では需要に対する供給のバランスが取れていないためか、実物を目にする機会が少なく、注文してもなかなか手に入りにくいレンズの一つに数えられるだろう。特にマレーシアに駐在しているボクにとっては(PF300mmF4Eとまでは行かないが)、まずお目にかかる事の出来ないレアレンズとなっている。そんな中、ボクがシンガポールへ出張に行く直前になって、シンガポール駐在の同僚でありカメラ仲間が「2018G」の入手に成功し、その恩恵に預かって「2018G」を用いてマリーナ・ベイ・サンズからの夜景を「本撮り」する機会に恵まれるという、超ラッキーな事案が発生したので、以下にご紹介させて頂きたい。

このレンズに関しては多くの作例が出ているわけではなく、折角なので「2018G」のご購入を考えている方の参考になるべく、同一構図でF1.8, F2.0, F2.8, F4.0, F5.6, F8のD4原寸大ファイルを掲載させて頂きたい。マリーナ・ベイ・サンズの夜景は、画面全域に渡って建築物や細かい点光源がちりばめられているので「誤魔化し」が効かない。つまり、そのレンズが持つポテンシャルを推し量るのに最適な被写体なのだ。

画像を拡大して中心から隅々まで確認し「2018G」が持つ実力を推測し、本レンズ購入へのご参考にして頂けたらと思う。


機種 D4 「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」

絞り F1.8

被写界深度が最も浅い絞りを開放にしてからLVモード拡大鏡フルマニュアルフォーカスにてピント合わせを行い、レリーズケーブル・ミラーアップにて1段づつ全絞り撮影するという、いつものスタイル。ボクが出来うる最大限の事はやっているつもりだ。

開放ではサジタルコマフレアが四隅で観察されるが、それは2414Gとて同じこと。描写も少し甘く感じるが、これはF1.8の開放で撮影されていることを忘れてはならない。
F1.8の開放でここまでの描写をすることは恐れ入る。駄レンズでは絶対に到達できない境地がここにある。
レンズ AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.8
露光時間 1/3s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 20mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」

絞り F2

絞りのキリ番に合わせるために1/3段絞ったF2とする。

四隅に発生しているサジタルコマフレアはほとんど変わっていないが、開放と比べて僅かだが描写が引き締まっているのが分かる。
レンズ AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F2
露光時間 1/2s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 20mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」

絞り F2.8

F2から1段絞ったF2.8。
F2.8になるとすでにサジタルコマフレアはほぼ消失しており、つまりF2.2で消え始め、F2.5ではだいぶ消え、F2.8で消失すると推察する。

F2.8あたりから夜景スィートスポットが始まるのだろう。
レンズ AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F2.8
露光時間 0.6s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 20mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」

絞り F4

F4まで絞ると非常にカッチリ感が出て、サジタルコマフレアは完全に消失し、その代わりに光芒が僅かに育ち始めた。

光芒は光の強さやその時の露光時間によって変わるので、参考程度だが、この条件ではサジタルコマフレアも光芒も出したくない場合はF2.8〜F4で撮影するとよいだろう。
レンズ AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F4
露光時間 1.3s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 20mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」

絞り F5.6

経験上20mmの超広角レンズではF5.6程度まで絞れば十分な解像力が得られるだろう。

光芒が完全に確認できるようになっている。この光芒の形は好きな部類だ。

右下の大きな光芒はちょっとうるさいような感じになっているが、これは複数のライトが密集しているためだと考えられる。
レンズ AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F5.6
露光時間 2.5s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 20mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」

絞り F8

完全に光芒が育ち、美しい光芒が楽しめるレンズだ。ものすごい細かいことだが、等倍にして光芒を見て一人でニヤつくというのも、夜景撮影において楽しいポイントだ。

これ以上絞っても描写に大きな影響は与えないので、F11とF16は割愛する。
レンズ AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F8
露光時間 5s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 20mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ


AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

機種 D4 「AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED」

絞り F5.6

ここで焦点距離の違いはあるが最も近い「2414G」にご登場いただいて、同じ日・同じ時間帯・同じ構図で撮影したものを掲載させて頂きたい。絞りはスィートスポットのF5.6としている。

流石は30万のマジキチレンズだけあって、全域にわたって極めて均一に描写するその性能に唸る他ないが、広角において4mmの差は大きく、建物の大きさも周辺の歪み量も変わるので、全体的に2018Gのほうが不利な条件で比べられているという事を忘れてはならない。
レンズ AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F5.6
露光時間 2s
ISO感度 ISO200
露出補正 -0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 24mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ


「14-24mmF2.8G」は言わずもがな、「2414G」と比較したとしても大きさも重さも一回り以上小さくて軽く、取り回しがよい。そしてこの描写が手に入ってしまうのだから、これは欲しくなってしまう。「2018G」と「2414G」を撮り比べることができるという、普通は中々出来ない素晴らしい経験をしてしまった。

F1.8Gシリーズ、恐るべし。

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