ムルデカ 広場
Merdeka Square

先稿にてブルーモスクの夜明けの作例を掲載させて頂いたが、その日の夕方はKL中心部にあるモスク「Masjid Jamek(マスジッド・ジャメ)」に赴き、以前から挑戦したかった「日没時のマスジッド・ジャメ」を撮影する事にした。このマスジッド・ジャメはKLにある非常に重要なモスクであるため、本来であれば今頃撮影が完了していなければならないモスクであるが、一つだけ重大な問題があって「そのエリアは治安が悪い」のだ。

タクシー運転手が強盗殺人に巻き込まれたとか、みかじめ料を払っていない飲食店に手榴弾が投げ込まれて2人死亡とか、旅行者が突然刀で襲われて荷物を盗られたとか、子供が連れ去られたとか・・・そんな事例がザラにある地域。行けば分かるが、「どう見ても危なさそうな人」に数分に1度はすれ違う。もちろん、日本の繁華街においても危なさそうな人にすれ違う事はあるが、それとて日本。しかし、ここは海外。貧富の格差が余りにも激しく、周辺諸国から様々な事情を抱えた外国人が不法入国しているマレーシアの「危なさ」は、見た目的にも質的にも日本の比ではない。

しかも、ボクが狙うのは日没時。日没後、もしくは早朝の時間帯は犯罪被害に遭う機会が飛躍的にハネ上がり、極論を言えば翌日の新聞の片隅に載ってしまっても、「そんな所で100万の機材を抱えて夜景を撮影していて、まあ殺されても仕方なかったよね・・・。」と誰も同情してくれない、そんなエリアだ。そんな訳でボクは今まで夜のジャメに近付いた事は無かったのだが、撮りたいと言う欲求を抑えるのも困難で、「やはり一度は撮っておかねば。」と決心し、夜のKL中心街に向かう事にしたのだ。

今回の装備は以下となっている。
「D4」
「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」
「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」
「三脚・レリーズケーブル」

しかし、到着してみると何とマスジッド・ジャメが改修工事中となっており、地面は剥がされ、クレーン車で何かを吊るしているなど、どう見てもボクが狙うカットは撮れない事が発覚。折角来たのに「ダメだこりゃ。」と早々に断念。こういう事はよくあるのでボクは大抵のケースで第二案を準備しており、今回はジャメから徒歩数分「独立広場」こと「ムルデカ 広場」で撮影に取り掛かる事にした。本命のジャメは撮れなかったものの、この「独立広場」もいつかは撮らねばと思っていた場所である。

いつものように画面をクリックすると大画面が表示されるようになっているので、興味のある方はそちらも参照頂ければと思う。


機種 D4 「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」

絞り F8

調べていないので分からないがムルデカ広場目の前「KPK」と書かれた建築物が建っている。マレーシアのクアラルンプール中心街にはこのような歴史的建築物が立ち並んでおり、一年中観光客でにぎわっているエリアでもある。

運が良い事にボクが到着するとこの通りはフェンスで封鎖され、路駐していたクルマは全てポリスが排除してくれていたので、余計なものが写りこまないカットが撮れた。

もっと嬉しいのは「そのポリス達がその場にずっと居た」ことだ。ポリス同士で固まって終始雑談に興じていただけにも見えたが、ポリスが居ると居ないでは大違い。これは助かる。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F8
露光時間 1/10s
ISO感度 ISO200
露出補正 -0.7
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」

絞り F4

KPKは非常に横長の建築物なので、普通の焦点距離を持ったレンズではとても入りきらない。こんなこともあろうかと持ってきた「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」を用いて撮影した。

14mmの超広角でなければ撮れないカットだがしかし、このレンズの光芒ってこんなに汚かったっけ!?画像端も解像し切っていない気がする。三脚を用いた撮影なのでボクの見立てではもうちょっと解像するハズだったのだが、絞りが甘かったのか?

ひょっとして・・・、以前酔っぱらっていた時に「軽く落とした」事があるのが原因か!?い、いや・・・、まさか・・・。そんなハズは・・・・。
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F4
露光時間 1/6s
ISO感度 ISO200
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 14mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」

絞り F8

「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」から「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」に切り替えて撮影を開始する。「14-24mm f/2.8G」はニコンが誇る究極レンズと言う事に異論を唱える方は少ないと思うが、しかし、それでも「3514G」を装着してLV画面でピントを合わせをしただけでも、「14-24mm f/2.8G」と比して「切れ味」が全然違う事に感動する。

「うお。こりゃやっぱすげえ。」と、毎回のように思う訳だ。奥までピントを合わせるべく選んだ絞り値はF8。画面全域に渡ってレンガの一枚一枚を克明に描写しまくる。

ただし育つ光芒の美しさは、やはり「3520D」に軍配が上がる。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F8
露光時間 2.5s
ISO感度 ISO200
露出補正 +0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」

絞り F8

三脚で稼げる高さや、すぐ真下には観光客が座っていたとか、そんな制限があって、ちょっと無理したような構図になってしまったが、街燈と旗を空に配置してみた。

もうちょっと何とか出来たなぁ・・・。

とか思いながら、画像端をチェックしたところ、「3514G」でもこのシーンでは左端の光芒が汚く成長している。これならば、大目玉を持つ「14-24mm f/2.8G」ならばなおさら汚くなっても不思議ではない。ちょっと安心。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F8
露光時間 6s
ISO感度 ISO200
露出補正 +0.7
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」

絞り F8

これが、本来撮りたかった「マスジッド・ジャメ」。
クアラルンプールは宗教的にも門戸が開かれ、イスラム圏・中華圏・欧米諸国・東南アジア周辺国から人を集める強力な観光国。ガイドブックを開いてみると小奇麗に紹介されているが(ボクでもそう撮る)、実際は混沌としており、川の下からは下水の悪臭が漂う。

そんなクアラルンプールの混沌を、ジャメと手前の送水管に凝縮させて切り撮った。

周囲は真っ暗で、もはや目視ではなにも確認できないディテールを、「D4」と「3514G」であぶり出す。ジャメが飛ばないように-0.3補正とした。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F8
露光時間 5s
ISO感度 ISO200
露出補正 -0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」

絞り F11

ムルデカ広場を後にして、ここが、クアラルンプール(泥が合流する場所)の語源となっている、「ゴンバック川(左)」と「クラン川(右)」の合流地点だ。ここも有名な撮影スポットであるが、ボクの本来の狙いは向かって右側からジャメ正面を、日没時に碧く染まった空と合わせてこれを切り撮る事だった。しかし、拡大すると分かるが工事中で撮影にならない。

それでも出来る事はキッチリやろうと思い、手前にブーゲンビリアを配置し、出来るだけ絞り込んで撮影した。結果的に露光時間は25s。その間、「超危ない雰囲気」のロン毛でボロボロの服を着た男がフラフラとボクの真後ろを通り過ぎる・・・。

「あ、あぶねー・・・。」と思いつつ、通り過ぎてくれたので、「あともう1・2枚」と思って撮影していたら、引き返してこちらに向かってくるではないか!「はよ露光終われ!」と思いつつ、終わったら超速で片づけて帰路に就いた。

やっぱあぶねー。
レンズ AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
露出モード 絞り優先オート
絞り F11
露光時間 25s
ISO感度 ISO200
露出補正 +0.3
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 35mm
AFモード LVモード 拡大鏡マニュアルフォーカス
ピクチャーコントロール 風景
三脚 三脚・レリーズケーブル・ミラーアップ

機種 D4 「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」

下見撮影時 2014年

これが、去年「下見」で撮影したマスジッド・ジャメ。
ボクはこのカットを日没直後に撮りたかったのだ。

焦点距離も、構図も、場所も、時間帯も、撮影後のイメージも全て頭の中に入っている。しかし工事中では話にならん。

というか、上の工事中の写真を拡大して見ると「ヤシの木が無くなっている」ようにしか見えないのだが・・・。このヤシの木、ボクのイメージの中ではメッチャ重要な役割があるんですけど・・・・、工事が終わったらヤシの木も元に戻ってくれている事を願うばかりだ。
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
露出モード 絞り優先オート
絞り F8
露光時間 1/200s
ISO感度 ISO100
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 24mm
AFモード AF-S シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール ビビッド
三脚 手持ち

MOHAMAD KEHAKIMAN 夜明け

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