絞り開放
AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF

ボクが最も長期間にわたって愛用しているNikkorの銘玉「8514D」であるが、いままで上げてきた作例を見て頂くと殆ど全てF2.8〜F4で撮影されたものであり、F2以下という開放付近で撮影されたものは殆ど無いことが分かる。世間一般的には、「折角F1.4を使っているのに、開放で使わないのは勿体ない」と思われるかもしれないが、これはボクの経験上「8514Dのスイートスポット(最も美味しいところ)はF3.2〜F3.5」という経験則によるものである。この辺りの絞り値で撮影した際は、ピント面がキリリと引き締まり、ピント面から前後左右にかけて柔らかく・自然に・包み込むような絶品ボケが楽しめるのだ。

しかし、たとえスイートスポットが「F3.2〜F3.5」であろうとなかろうと、言うまでもなくこのレンズの開放F値は「F1.4」。非常に明るいレンズなので、絞り開放で撮影すると、その他一般的なズームレンズよりも2段以上速いシャッター速度、2段以上低ISO感度で撮影できる。この利点を日中の撮影で感じることは難しいが、例えば日没直後など撮影条件が厳しいシチュエーションになってくると、その「差」ってやつがあからさまにあぶりだされてくる。また、写真にのめり込めばのめり込むほど、カメラがあれば誰にでも撮れる日中の写真よりも、日没後、薄暗い場所など、撮影が困難なシチュエーションでこそ撮りたくなってくるものだ。そこで役に立つのがF1.4のような明るいレンズであり、それが開放F値F1.4のレンズがこの世にある理由の一つだろう。

例えば、気軽に明るさ2段違いと言うが、日没後のシャッター速度1/15sと1/60sでは手ブレ・被写体ブレが雲泥の差だし、ISO800とISO3200では画質が全然違う。もしくはシャッター速度1/30sとISO1600の合わせ技でも良いだろう。それを可能としてくれるのがF1.4であり、F2.8〜やF3.5〜のレンズでは到達できない領域なのだ。

今回はそのようなシチュエーションの一つである「日没後」に、8514Dの絞り開放「F1.4」を使って撮った作例をご紹介させて頂きたい。

機種 D4 「AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF」

絞り F1.4

日没時間は6時40分頃で、撮影時間はほぼ7時ジャスト。日没から20分程度経っている事になる。まずはお決まりの一枚。12月といえどもマレーシアは常夏の国であり、半袖だ。

F1.4で撮影すると周囲がボッケボケにボケて、玉ボケもレモンボケになる。それらを防ぎつつ美しくまとめる意味でも普段はF2.8程度まで絞って撮影するが、たまにはこんな描写を狙ってみるのも、悪くない。

ちなみに、F2.8に絞ると同一条件で1/60sまでシャッター速度が落ちてしまう。これは経験的に言って、手ブレ・被写体ブレの抑制が相当厳しくなるシャッター速度だ。
レンズ AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.4
露光時間 1/250s
ISO感度 ISO400
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 85mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4 「AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF」

絞り F1.4

85mmのような中望遠レンズを用いて、F1.4で「寄る」と上記のように余りにもボッケボケの写真になってしまい、それはそれでつまらない。F1.4でボカし過ぎないようにするためには被写体から「離れて」撮るのが有効だ。

ボクが現在居住しているコンドミニアムの敷地内においては、どこに被写体を立たせれば最も効果的な雰囲気(ボケ効果)を得られるか知っているつもりであり、奥行を演出できるこのポイントを迷わず撮影場所に選んだ。刻一刻と暗くなるシチュエーションにおいても、横に咲いているが写り込む場所を選ぶ、心遣いを忘れずに。

F1.4だからこそ、ISO400で1/125sを叩き出せる。
レンズ AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.4
露光時間 1/125s
ISO感度 ISO400
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 85mm
AFモード AF-C シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4 「AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF」

絞り F1.4

よく使う距離感での左右ボケ確認用の作例となる。F1.4にしてシャッター速度は1/40sであり、これ以上はキツイ領域。

このシーンでF1.4だと、左右の植物のボケが少しザワついた感じに写るが、雨にぬれたタイルの質感もしっかりと残しており、これはこれで全然OKだろう。
レンズ AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.4
露光時間 1/40s
ISO感度 ISO400
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 85mm
AFモード AF-S シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

機種 D4 「AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF」

絞り F1.4

19時20分。街頭下で撮影した一枚であり、これが「今日の一枚」

かなり明るく写っているように見えるが、実際には日が落ちてから30分以上経過しており、現場はかなり薄暗い。ISO800、F1.4で1/25sというデータから、その暗さを想像して頂けると思う。

D4とF1.4の明るいファインダーと言えども、この暗さになると肉眼では顔が見えないため、MFでのピント合わせは不可能。静物ならばLVモードの拡大鏡マニュアルフォーカスが役に立つが、F1.4の「極薄」ピントの中、揺れ動く被写体をMFで合わせるのはどだい無理な話なのだ。迷うことなく「暗視カメラ」D4のAFに身を委ねて撮影した。

絞り開放・この暗さゆえ、顔へのピントが甘いが、8514D独特の描写が写真に味を与えてくれた

これが、「8514D 絞り開放」の描写だ。
レンズ AiAF Nikkor 85mm f/1.4D IF
露出モード 絞り優先オート
絞り F1.4
露光時間 1/25s
ISO感度 ISO800
露出補正 0
測光モード マルチパターン測光
焦点距離 85mm
AFモード AF-S シングルエリアフォーカス
ピクチャーコントロール スタンダード
三脚 手持ち

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