shinzou's Malaysia Life

マレーシアの交通事情 -その4-
以前、マレーシアの交通事情について少し触れたことがあるが、エコカー一色の日本とは違って、マレーシアでは昭和時代のクルマ〜最新のランボルギーニカウンタックまで、新旧様々なクルマが入り乱れて走っており、クルマのバラエティが非常に豊かな国である。たぶん、クルマ好きなら毎日一味違ったクルマを発見できるので、とても面白いところだと思う。
ちなみに、本稿を書き始めた今、時間はまだ朝4時半であるが、今しがたすぐ隣の高速道路を駆け抜けていったフェラーリかランボルギーニあたりの甲高い爆音(しかも集団)に起こされてしまった次第である。これらスーパーカーの排気音は確かに格好良いのだけれども、朝3時4時に起こされることがままあるので、ちと迷惑だ。が、ボクの本拠地たる長野県ではそうそう見ることが出来ないクルマがずらり並ぶマレーシアは、やはり面白い。

そんなマレーシアの交通社会であるが、負の側面として交通事故が非常に多い。マレーシアに来て早2年近くになろうとしているが、すでに死亡事故2回(3人)、道路で人がうずくまっているような人身事故5回くらい、追突・接触事故は週に1回以上のペースで目撃している。これは誇張表現でもなんでもなく、本当のことだから困る。
ボクが目撃した死亡事故は、「バーン」という音がしたので振り向いたら、2人乗りの小型バイクが大型トラックに巻き込まれてバイクに乗っていた男性2人が死亡していた事故。もう一件は、仕事を終えて帰宅しようと道路に出たところ、人だかりができていたので、視線を道路に移してみるとおびただしい血で明らかに死亡していると分かる男性が地面に横たわっていた事故である。聞く話によると、右折しようとしていたバスに、直進してきた小型バイクが猛スピードで突っ込んだそうだ。
日本では一度も死亡事故に出くわしたことがなく、接触事故ですら年に1回2回しか見ないことを考えると、日本では考えられないような事故の回数である。これは小型のバイクが日本と比べて圧倒的に多いこと、道路整備網が急速に発展していること、そして経済発展に伴い爆発的にクルマが普及しているのにもかかわらず、その変化のスピードに交通ルール・マナーの浸透が全く追いついていないことが主たる原因だと思う。

と、偉そうなことを書いてみたボクであるが、当の本人が事故ってしまったので開いた口が塞がらない。タクシー(マレー人ドライバー)との接触事故を起こしてしまったのだ。いや、言い訳をさせて頂くならば日本人的感覚で言って、10対中、3か7は相手方が悪いと思う。文章で書くとわかりにくいので、起こったことをありのまま図解説明するならば以下のようになる。

自宅で夕飯を済ませ、ゴルフの練習にでも行こうと思ってMONT KIARAからKLGCCに行く途中の、DESA SRI入口の交差点で事故を起こしてしまった。

タクシーは図のとおり、左折か直進のみしか許されていないレーンだが、急にボクの目の前を横切るように右折してきて、直進するボクの車と接触したのだ。

信号が青になったので、アクセルを踏んだ瞬間、突然タクシーが目の前に出現して、その0.1秒後には接触していた感覚だ。あれはもう、絶対によけられないタイミングだった。

あの勢いから推察するに、もともとタクシードライバーは直進するつもりだったのだが、乗客から突然「右!」と指示されたものだからハンドルを急に右に切ったのかもしれない。

しかも、こともあろうことか、明らかにタクシーが逃げようとしたので頭にきてフルアクセルで追いかけて停車させ、バトルモードに突入してしまった。言い争いの顛末は以下のとおりである。

ボク    : 「なに急に曲がってきてんだ!警察行くぞ!」
タクシー : 「客を乗せているから私は警察には行かない。」
ボク    : 「ざけんな!警察行くぞ!」
タクシー : 「いや、客がいるから行かない。」
乗客   : 「俺はここで降りるから」と言って、そさくさと退散。
通りすがりのマレー人 : 「お前飲んでるのか?」
ボク    : 「飲んでるわけないだろ!いいから警察行くぞ!」
タクシー : 「私はKLに帰りたいから帰る。」
ボク    : 「あそう。お前のナンバーはもう控えたから、どうぞお好きに!」

ボコったバンパー。


バンパーを地面に引きずりながらという非常に情けない状態で、MONT KIARAの交番に到着。そしてポリスレポートを書いていたのだが、警察がこれまたタイピングが遅くて、1時間以上も待たされてしまった。
以下が発行されたレポート。これまたいかにもマレーシアらしくて、まず最初に英語かマレー語かどちらか聞かれて、英語だったら「お前がタイピングしろ」と言ってくる。以前事故ったときも同じことを言われたことがあり、それが非常に面倒だということをよく知っていたので、「(面倒だから)マレー語」でいいと答えた。
そして現場検証なし。こちらの言った英語をそのままマレー語にして書いてるだけ。もちろん、嘘はいけないので、起こった事実をそのまま伝えるのみとした。


ここで意外な展開があり、先ほどのタクシードライバーが奥さんに連れられて出頭?してきたのだ。おそらく、妻に「あんた逃げたらヤバいよ。あたしも付き添うから警察行こう。」と言われたと思われるほどの登場の仕方であった。
このときはボクも冷静になっていたので、とりあえず怒ってしまったことに対して謝罪をしつつ、警察が描いたレポートをおっちゃんに見せて、これでいいかと納得してもらう。マレー語だからボクは何書いてあるか全然わからないので、第三者が見ていたら非常に面白いやり取りであっただろう。

で、このあとが非常に面倒なのだが、保険適用のための正式レポートを作成するためには24時間以内にKLチャイナタウン近くのトラフィックセンターに行くなどしなければならず、仕事を休むなどして多大な労力を使った。ちなみにこのトラフィックセンターは、マレー語が出来ない外国人のボクが一人で行って太刀打ちできるような場所ではないので、会社のドライバーに帯同してもらい手続きを済ませた。

このトラフィックセンターで過失割合が裁定されるのだが、ボクの場合警察署に行ったらすでに結果は決まっていて「ボクが悪い」そうな。
「なんでやねん!」と思ったが、曰く、タクシーは優遇・保護されていているので、タクシーの横暴な運転でぶつかったとしても、こちらが悪くなるそうな。つまり、タクシーが来たら避けなければならないということだ。これでマレーシアのタクシーがなぜあんなにも横暴な運転をしているのか、そしてなぜあのタクシーのおっちゃんが正直に出頭してきたのか、合点が行ってしまった次第である。

ちなみに、このことをネタに会社のセールスと話をしていたのだが、「危険な人間が相手かもしれないので、カーチェイスしてとっ捕まえるようなマネはしない方が良いですよ。ナンバーだけ控えれば十分。」とアドバイスをいただいてしまった。確かに、冷静に考えてみれば、夜中にボクのような外国人が、現地の人を捕まえて言い争いをしている状態は危険であった。タイプが違う人間だったら、刺されたりする可能性があったので、今後は冷静に対処したいと思う。


バンパー破損
タイヤハウス破損
ヘッドライトめり込んだ
なんか大事なところが曲ったようで、運転中に違和感を感じるようになった。

会社のドライバーいわく30万コース

ガックリ。

実はこのクルマ、2008年式でボクが3人目の持ち主となっているのだが、たったの4年でバンパー交換、ドア交換、ウィンドウ交換等がこれで7回目になる、もはやいわくつきのクルマなのだ。ハッキリ言って、このクルマは呪われている。なので、ボクはクルマの買い替えを検討中なんだ。

それにしても、ゴルフの練習に行って、まさかクルマを買い替えるような展開になるとは思ってもみなかった。

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